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葉酸はビタミンB群の一種。妊婦には摂取が推奨されますが、一方でとりすぎががんになるという報告が話題に。たとえば大腸がんは……

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葉酸はビタミンB群の一種。妊婦には摂取が推奨されますが、一方でとりすぎががんになるという報告が話題に。たとえば大腸がんは……

葉酸はビタミンB群の一種。妊婦には摂取が推奨されますが、一方でとりすぎががんになるという報告が話題に。たとえば大腸がんは……。『血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について』という国立がん研究センターの報告なども見ていきます。

葉酸のニーズは妊婦だけではない

葉酸はビタミンB群(ビタミンB9)に属する水溶性ビタミン。

生理活性物質です。

ビタミンM、ビタミンB?、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれます。

厚生労働省では、妊婦の摂取を推奨しています。

妊娠時にはとくに必要とされ、葉酸の摂取は二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するといわれているのです。

厚生労働省は2006年2月、「妊産婦のための食生活指針」という報告書を発表。

妊娠し得る女性(16~49歳)は、1日あたり240μgの葉酸摂取を、妊娠した場合にはそれに200μgを加えた質量(440μg)を推奨し、そのための具体的な副菜メニューを示しています。

うーん、50歳をすぎると、そこから外れるんですね。

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それはともかくとして、葉酸のニーズは妊婦だけではありません。

ビタミンのサプリメントというとCやEが一般的ですが、最近はB群についてもニーズが高まっています。

ところが、葉酸をとるとがんリスクが高まるという報告が近年あったから大変です。

1998年以降、新生児の神経管欠損症の発生率を減少させるため多くの国で食物の葉酸強化が義務付けられてきました。

2009年10月の時点で、世界で生産される小麦粉の30%を葉酸強化小麦粉が占めており、さらに米国人の約40%が葉酸サプリメント(栄養補助食品)を利用しています。

しかし、研究を率いたハウケランドHaukeland大学病院(ベルゲン)心疾患部門のMarta Ebbing博士は、「葉酸強化食品やサプリメントの利用は、必ずしもこれまで考えられていたほど安全ではない。公衆衛生当局および食品安全当局はこのことを考慮する必要がある」と述べています。

Ebbing博士によると、葉酸服用群では癌発症リスク21%増大。

葉酸の服用と関連のあった癌で特に多かったのは、大腸(結腸直腸)がん、肺がん、前立腺がん、血液がんであったと2009年に報告しています。

大豆イソフラボンも話題になったことがあった

胎児のために葉酸を取ったのに、今度はそれでがんのリスク? という不安が生じるわけですが、健康に良いとされてきた大豆イソフラボンが、実は健康被害のリスクをもっていたという2006年の報告が話題になったことがありましたね。

大豆イソフラボンの化学構造は、女性ホルモンであるエストロゲンによく似ているところから、加齢による骨粗しょう症や更年期障害、乳がんや前立腺がん等の予防対策に有効ではないかとして、大豆イソフラボンを抽出したサプリメントも近年登場していました。

ところが、厚生労働省に調査を依頼された食品安全委員会では、2004年1月から大豆イソフラボンについて調査を重ね、2006年5月に「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(以下「考え方」)」を、厚生労働大臣に通知。

閉経後の女性の場合、大豆イソフラボンの錠剤(150mg/日)を5年間服用したところ、子宮内膜増殖症の発症が有意に高くなる。動物実験では、過剰摂取は胎児や新生児に卵巣や精巣といった生殖器官で有害作用が報告されたのです。

そこで、食品安全委員会では、大豆イソフラボン錠剤150mg/日はヒトにおける健康被害発現量、その半分の75mgを「臨床研究に基づく現時点におけるヒトの安全な上限摂取目安量」と定め、サプリメントや特定保健食品などで摂取する量は、1日当たり30mgまでが望ましいとしました。

その量で単純計算すると、納豆2パック食べれば「75mg」を超えてしまうことから、「納豆を食べるとがんになる」とする説までネット上を賑わせました。

しかし、大豆イソフラボンのみを抽出し、より吸収もしやすくしたサプリメントの含有分と、他の栄養素とともに構成されている一般の食材のそれを同一視するのは現実的な見方ではありません。

食材には、それぞれの栄養素の役割を引き立たせ合ったり抑制し合ったりする、微妙なバランスが成立していると見られ、また食べたものすべてを吸収するわけでもないからです。

国民栄養調査では、平均的な日本人(15歳以上)の大豆イソフラボン摂取量は1日当たり18mgとされており、過剰に恐れて、直ちに納豆を含む大豆食品の摂取を控えることはむしろ望ましいことではありません。

大豆イソフラボンの健康効果自体が否定されているわけでもないからです。

同委員会は、大豆イソフラボンについては「未だ実際に多くの研究が行われている段階にあり、ヒトにおける大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していない」としています。

つまり、食べ物でならとくに神経質になって減らす必要はないが、サプリメントの大豆イソフラボンに過剰な期待をして不自然な量を摂取するのは、今の段階では慎重であった方がいいということでしょう。

食材やメニュー選びに時間と手間を使おう

話は戻りますが、葉酸にも同じことが言えるのではないでしょうか。

葉酸の摂取量の上限は1日1000μg(厚生労働省「第六次日本人の栄養所要量」)となっています。

サプリメントも、それ以内なら今の医学では問題視されません。

つまり、厚労省の言うとおり、葉酸は食事からの摂取を基本とすればいいのです。

産婦人科医師の多くは、「食材からの葉酸摂取は勧めるが、サプリメントとしての葉酸は摂っても摂らなくてもよい」という立場をとっています。

葉酸は、付け焼き刃ではなく日常的に摂るものであることや、サプリメントの過剰な摂取は、葉酸以外の思わぬ不純物や、マルチビタミンなどに含まれるビタミンAの過剰摂取(胎児への問題が指摘されている)が有り得るからです。

やはり、サプリメント選びよりは、食材やメニュー選びに時間と手間を使った方がよさそうです。

葉酸と大腸がんリスクの関連は「みられない」

国立研究開発法人国立がん研究センターでは、前述のように葉酸と大腸がんの関係が疑われていることから、「多目的コホート研究(JPHC研究)」で調べています。

血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

「平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所(呼称は2007年現在)管内にお住まいだった、40~69才の男女約4万人の方々を、平成15年(2003年)まで追跡した調査結果にもとづいて、血漿中の葉酸の値と大腸がん発生率との関連を調べた結果」が紹介されています。

結論を書きますと、血中の葉酸と大腸がんリスクには関連がみられないとのことです。

疫学調査というのは、交絡因子が複雑に関与するので考察は難しいのですが、現在の医学の粋では「見つからない」とのことなので、ひとまずはそれを受け入れて葉酸は引き続き摂取したほうがいいと思います。

以上、葉酸はビタミンB群の一種。妊婦には摂取が推奨されますが、一方でとりすぎががんになるという報告が話題に。たとえば大腸がんは……、でした。

健康情報・本当の話 - 草野 直樹
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、曾祖叔父と“日本のケインズ”高橋是清の接点(仙台藩でワキジ時代のお世話役、そして姻戚関係か)を発見。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場からMMT支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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