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鳩山由紀夫首相のオカルト医療推進

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オカルト医療
鳩山由紀夫首相のオカルト医療推進が話題になっている。鳩山由紀夫首相は1月29日の所信表明演説で、「統合医療の積極的な推進の検討」を明言した。そのため厚労省は、瞑想や催眠療法といった民間医療に加え、チベット医学、ホメオパシーなど世界各国の伝統医学の、保険適用や資格制度化をマジメに考え始めたと報じられた。

筆者は、鳩山由紀夫首相への批判のすべてを涼とはしない。

しかし、これはさすがに看過できないと思った。

興味本位のウェブ掲示板でもブーイングの嵐だった。

筆者は、患者の価値観から自己責任で保険適用外の治療を行うことをまるごと反対する立場はとらない。

なぜなら、個々のエビデンスはともかく、患者がそうした選択をすること自体に積極的な意味が全くないわけではないからである。

もとより、民間医療の中から、新たな救世主が誕生するならそこに難癖をつけるつもりも毛頭ない。

ただし、だ。その前に次のような問題点を指摘せざるを得ないのだ。

第一に、何よりもいかがわしい民間療法が保険適用されることへの不安だ。

いくら現代医療がエビデンス第一主義といっても、結局保険適用するかどうかは政治的な判断による。

第二に、これは民主党政権の方向性にも逆行している。

仕分け作業で民主党政権は漢方薬を問題にした。漢方薬は東洋医学に基づいた処方を行うが、西洋医学からのアプローチも行われ、保険適用となっているものもある。これまで実績を作ってきた漢方薬がダメで、エビデンスが西洋医学のように確立していない民間療法に保険適用の道を拓くというのは道理のある話ではないだろう。

そうでなくとも、現在の保険医療では一部で矛盾が指摘されている。効果に疑問があるものが保険適用され、効果が医療現場で認められているものや、患者にとって切実なものが保険適用されていない現実が挙げればゾロゾロ出てくる。

鳩山由紀夫理系首相が、なぜこんなことを言い出したのか。歯の痛みを足つぼマッサージで押さえた「体験」と、例の目立ちたがり夫人の影響ではないかといわれる。

欲得と思いこみはトンデモへの道……なるほど、至言ではないか。

理系の大学人だったこの首相の疑似科学ぶりを見てもなお、疑似科学批判で商売をしている皆さんはナントカの一つ覚えのように、「疑似科学に騙されるのは理科教育が足りないからだ」と、言い続けるつもりなのだろうか。

その発想は、もはや不思議現象を何でも「プラズマ」とするトンデモ発言と何ら変わりない。

1980年代以降、自民党政権は第二臨調主導のもとで社会保障制度の見直しを行い、健康管理は国民各自の責務によるものとし、足りないところは民間事業による私的なサービスも利用してもらう仕組みを企図してきた。

その総仕上げに強行採決で成立させたのが「健康増進法」である。

国民に健康管理の責務を押しつけ、その対策として健康食品(民間療法)を検討することを法律で定めている。

何でも安請け合いするこの理系首相の所属政党も、野党時代はこれに反対していたはずである。

この方はそうした経過をどの程度理解しているのだろうか。

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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