「ツカサネット新聞」をご存知だろうか。ツカサ都心開発のインターネット事業に、「ツカサネット新聞」なるサイトがあった。登録すれば誰でも記者として投稿でき、投稿はほぼ採用された。誰でも書ける開かれた「市民記者」サイトという触れ込みだった。いくらかの稿料も支払われ、ライブドアやヤフーにも配信された。そんな仕組みだった。
筆者は、2008年春、ヤフーに配信されたある記事から「ツカサネット新聞」のことを知った。
当時は幅広くいろいろな話題を書けるブログも持っていなかったので投稿をはじめたところ、「殿堂入り」なる表彰を立て続けに5度も受け(その都度少額だが賞金も頂いた)、投稿一ヶ月後には、稿料以外に月々定額1万円をもらえる「ネット記者」にしてもらった。
いろいろ中傷も書かれたが、それは力のない者のやっかみであり、「殿堂入り」も「ネット記者」も、さほど筆者にとってむずかしいことではなかった。
文章が筆者より巧い人はいただろう。
が、巧いだけで「殿堂入り」はできない。
大事なことは、編集部が何を求めているか、を知ることである。
採用されている記事から編集部の好みを推理し、それに合わせた記事を書けば高い評価は簡単に得られた。
自分が書きたい記事を書くのではなく、編集部が書いて欲しいと考えていそうな記事を書いてやればいいのである。
ただ、あるときから、筆者は投稿をやめた。
あまり関わりたくない知人が同社に在籍していることを知ったので、編集部にはいなかったかもしれないが、その人物と接点を持つことをさけるために、念には念を入れて投稿も控えようかという気持ちになっていった。
また、当時から「ツカサネット新聞」はいろいろ批判されており、それらは当たらずといえども遠からずという感じだった。
自分の体験でも、何の通告もなく「ネット記者」が解任になったり、担当編集者によって著しく評価が変わったりと、まあ今だから言うがかなりいい加減なサイトだった。
投稿は、そういうデタラメなサイトの運営を助けることになると思い、その意味でも関わるのをやめようと思った。
誰でも書ける開かれた「市民記者」サイトという構想自体を筆者は否定しない。
だが、肝心のツカサ自体の志やスキルが足りなかったため、惜しいことに中途半端な終わり方をしたわけだ。
「ツカサネット新聞」の休止は、司建物管理の経営破綻も原因としてあるようにも聞くが、筆者が手を引いたのは休止の1年前なので、そのへんの事情は全く分からない。
ただ、あるときアクセスしたら休止になっていてビックリした。
で、ここで書きたいのはそういう思い出ではなく、その後のことだ。
「ツカサネット新聞」に登録したメールアドレスに、おかしなセールスのメールがひと頃来ていた。
筆者は、ツカサ専用にアドレスを切り出していたので、すぐにツカサを疑った。
ツカサがどこかの業者にアドレスを売ったのだとしたら、これは許せないことだ。
だが、最近は来なくなった。誰かが騒いだのだろうか。
インターネットを利用していると、メールアドレスを求めてくることがあるが、でっち上げのうさんくさい会社ではなくとも、メールアドレスの提供は慎重に行った方がいい。
ま、そもそもツカサも「うさんくさい会社」だったのかもしれないが……。
「ツカサネット新聞」に投稿経験のある方は、登録メールアドレスに注意されたほうがいいかもしれない。
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