庶民派を気取って失敗した話

木村拓哉の主演ドラマ『南極大陸』が放送され、初回平均視聴率が22.2%と発表された。地上波でお化け番組が出なくなった現在、20%が「成功」といわれているから、メディアは「好調な滑り出し」と書き立てている。
しかし、制作費は10億円。子役の芦田愛菜を出演させるなど「キムタク神話」を守るべくなりふり構わぬ姿勢を考えれば、この数字はそれほど手放しで褒めちぎれるものではないだろう。今後もドラマは続くが、つまらなければ視聴率は落ちていく。これからが勝負である。

8月15日付『東京スポーツ』では、キムタクが庶民派を気取ったが失敗したという話が出ている。

Kis-My-Ft2を招いたトークコーナーで、メンバーが「移動は電車かバスが好き」と言うと、木村は「SMAPは都内の電車の乗り換え表(マップ)あんじゃん。あれ見ないでどこでも行ける」と庶民派をアピール。

同紙によると、車移動ではなく電車で移動した下積み時代があったということを木村拓哉は言いたかったが、続けて「どこどこ(集合)って言われたら、有楽町線で霞が関かぁ。あの階段は車両の前の方に乗っておいて……」とスラスラ説明したものの、実は有楽町線は霞ヶ関駅を通っていなかった。

木村拓哉ぐらいのスターになれば、知ったかぶってでたらめを言って恥をかかないように、余計なことは言わないか、あらかじめ話すことを打ち合わせるかするだろう。

にもかかわらず、堂々と間違いを話してしまう脇の甘さも、いわゆる「木村クォリティー」なのである。

木村拓哉の持ち番組『木村拓哉のWHAT’S UP SMAP』(9月2日放送)では、ユニークな新コーナーを発表した。投稿を七五調でまとめるその新コーナーに、ちょっと猥談的要素を採り入れることを宣言。名まえは「ヅリ川柳」。「ヅリ川」とは自慰行為をあらわす言葉を芸能界流にひっくり返したものだ。

それ自体、なんともベタな名前の付け方だが、木村拓哉はさらに自分の思い出を語りだした。

「ぼくが中学生とか高校生の頃はですね、中学高校のときは、基本、ムラムラしてますよね。あと、あのー、おれ小学校の頃ね、わりと楽しみだったのがね……小学校って今言ったのは墓穴だったかなあ~。

小学校の頃、おれ、すげえ楽しみだったのが、親父が買ってくる週刊誌。週刊誌の最初の5ページって、何で絶対に、絶対にヌードなの? あれ、絶対わしづかみになるよね」

ヘアヌードも出会い系サイトもある現代に、妻子のいるアラフォーが大仰に語るほどの猥談でもないだろう。

かつては、同番組で柴咲コウとのラブシーンを楽しそうに延々と語ったこともあるが、悪く言えば思慮遠慮もなく自己満足なKY、善意に言えば、いつまでも少年の心を失わず、直載にその主張を堂々と行ってしまうのがキムタク節なのだ。(本紙より抜粋)

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