尖閣の事件を忘れさせようとしている

SMAPが日中韓首脳会談で来日中の中国の温家宝首相と面会したニュースが話題になっている。SMAPが温首相にヒット曲『世界に一つだけの花』を中国語で披露し、温首相も「中国に来て公演することを心から歓迎します。公演は日本の中国への友情だけでなく、東日本大震災からの再建に勇気をもたらしてくれると思っています」と日中友好をアピールしたが、懐疑的な報道もある。
SMAPは昨年2度、中国公演がキャンセルになっている。昨年6月に上海万博会場でコンサートを開催する予定だったが、ファン殺到による会場の混乱が懸念されて中止になった。10月には中国漁船衝突事件で日中関係が悪化したため、「昨今の状況を見て、お客さまの安全確保を考慮」(ジャニーズ事務所)して中止。さらに今年に入って今月中国公演を予定していたが、東日本大震災のため実現しなかった。

SMAPが温家宝首相と面会後、中居正広は「中国はファンの人たちがすごく多いので、ぜひコンサートをやりたいと思っていた。楽しみにしてもらいたい」と語ったと報じられた。

だが、日中韓首脳会談で来日しながら宮城県内の被災地を訪問し、管直人首相と一緒に野菜を食べるパフォーマンスを繰り広げた恩家宝首相について、「演技派」(「東京スポーツ」5月22日付)と訝る報道もある。

同紙はズバリ、「日本国民の反中感情を和らげる狙い」と指摘している。記事から引用しよう

「SMAPは中国でも若者に絶大な人気を誇るため、温首相との面会は対日感情を抑える国内対策との見方があるが、中国問題評論家で拓殖大学客員教授の石平氏(48)は『完全な日本人に対する工作です』と指摘する。

 尖閣事件で日中関係は完全に亀裂が生じ、中国での反日感情以上に日本で対中の警戒心が高まった。これは中国当局の想定を超える大きさで覇権を目指す東アジア戦略の障害になっている。

『温首相は震災地訪問で避難住民と親切に接して、激励するような場面やSMAPと歓談する場面がテレビを通じて日本中に流されれば、中国への警戒心を解くことになる。尖閣の事件を忘れさせようとしているんです』(石平氏)」

同紙は、行動に常に計算が働く温首相は“映画スーパースター”との異名を取るとも書いている。

すでに多くの国民の不興を買っている菅総理並みのパフォーマンスをしているようでは、その異名は買いかぶりという気もするが、それはともかくとして、とりわけSMAPのファンは中国のためにSMAPを応援しているわけではない。

SMAPの政治利用などトンでもない話である。

私服だらけの中居正広増刊号~輝いて~Part4

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