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統一協会の霊感商法は刑事事件としてどう裁かれるか

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統一協会の霊感商法は刑事事件としてどう裁かれるか

統一協会のダミー組織で、印鑑販売の会社「新世」と同社社長および取締役の2名を被告人とする裁判が、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で9月10日から始まった。裁判のポイントは信者個人の当事者責任だけでなく、統一協会の使用者責任を刑事で問えるかどうかだ。

40年以上も前から問題になっていた統一協会

10年前、民事で統一協会の違法伝道が認められ、最高裁までいったが違法の判決が貫かれた。

個々の壺や、印鑑売りに対する経済的被害に対する裁判でも原告が勝訴した。

そしていよいよ、刑事で統一協会の責任を問えるかどうか、というところまできたわけだ。

「司法がどこまで踏み込むことができるのか。裁判の行方が注目されます」(「しんぶん赤旗」9月11日付)と述べているのは、カルト宗教を追い続けているジャーナリストの柿田睦夫氏。

柿田睦夫氏のコメントには、宗教をまとった行為に法がどこまで踏み込めるか、という問題とともに、これまでも保守政治家の一部と関係が深く「高度な政治的判断」が行使されてきた同団体を本当に裁けるのか、という意味が含まれていると思う。

オウム真理教があまりにも衝撃的な事件を繰り返したので、一般にはカルト教団というとオウムを連想するかもしれないが、統一協会は40年以上も前から問題になっていた。

カルト教団の問題が、たんなる科学知識の問題ではなく、政治・社会と絡んでくることを知ることができるから、疑似科学批判陣営には統一協会のことをもっと知って欲しいと思う。

起訴の対象となった事件

起訴の対象となった事件(5件)は、「新世」の販売員が30代から60代の女性を運命鑑定と称して事務所に連れ込み、「あなたの先祖は武家で人殺し。因縁が深いからなたの夫も亡くなった」などと長時間にわたって説得。高額な印鑑を「因縁を払うことができる」と売りつけた典型的な霊感商法である。

これまでは、違法な伝道行為にあたるものについては、あくまで信者個人が暴走したものとして略式の罰金刑に応じて事件は終結していた。今回の裁判の争点は、宗教法人統一協会の責任を問う点が注目されている。

6月に、信者ら7人が特定商取引法違反(威迫・困惑)容疑で逮捕された際、統一協会の地域組織「南東京教区本部」を捜索したところ、「新世」の社長が以前、教区本部の運営部長の立場にあり、同社が顧客情報などを教区本部に報告していたことが明らかになった。

警視庁は、全国を12地域に分割した統一協会の地域組織の1つであるこの教区本部と、「新世」とは一体の関係だったとみて調べていた。冒頭陳述で明らかになったことについて、メディアは次のように報じている。

「検察側は冒頭陳述で、新世が統一教会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘。電話や訪問で接触を続けて洗脳、信者にして販売員を増やしていたと指摘した」(「共同通信」9月11日配信)

「冒頭陳述によると、『新世』出資者3人と販売員約30人の全員が統一協会員で、統一協会南東京教区の「特別伝道部隊」として活動。印鑑購入者は判明分だけで331人、契約額2億3226万円。そのうち63人がフォーラムと称する講座に参加し、受講料282万6000円のほか4306万円を献金しています。」(「しんぶん赤旗」9月11日付)

思えば、統一協会が社会的に問題になり始めてから、かなりの時間が経過している。にもかかわらず、やっと初めての刑事裁判というのはどうしてだろうか。

最初に報じたのは『週刊プレイボーイ』!?

統一協会について記事にしたのは、大衆紙では『週刊プレイボーイ』が一番早かったのではないだろうか。

ジャイアント馬場とブルーノ・サンマルチノの、インターナショナル選手権2連戦のどちらかの試合を報じた「東京スポーツ」の広告欄にそれが出ていたので、いずれにしても1968年だと思う。

ということは、もう40年越しの戦いになるわけだ。当時の『週刊プレイボーイ』は良い仕事をした。

マスコミの功罪をきちんと論考することもなしに、”特定の個人が傷つかない無難な批判”として「非科学性」をやり玉に挙げてマスコミ糾弾を行い、「理系ならそんなことはない」論を機関誌でしばしば主張する「批判」に筆者は心を痛めている。

少なくとも雑誌や夕刊紙には、国営放送や大手新聞にはない野心的な機動性、ゲリラ的な切り口がある。

結果として誤った仕事に結びついてしまうこともあるが、そのジャーナリズム精神自体は否定すべきではない。

「非科学」な記事があれば、その非科学性を指摘すればいいことで、いちいち「理系ならそんな間違いはしない」などという書き方を加えるのは、「思いこみ」以外の背景はあり得ない蛇足だ。

疑似科学批判に関わる方々は、そういう有害無益な「批判」をストンと胸に落とさないで大いに疑問を持って欲しい。

当時のトウスポはまだ10円だった。

駅の売店で目についた「馬場悶絶」という赤い見出しに馬場のことを心配した筆者は、1日分のお小遣いを払ってトウスポを買ったが、次の日もジャイアント馬場はリングに上がっていた(笑)

子供の小遣いまで巻き上げる「切り口」に対して、筆者は腹を立てるどころか、その詐術が何とも楽しくて、それ以降もずっとその新聞ともプロレスとも付き合ってきた。

科学的かどうかだけで全てを判断していたら、そういう興趣は生涯理解できないだろうな。

真の「理性」というのは、非科学を罵倒することではなく、科学の真実性と価値の普遍性を区別し、両立できる懐の深さを指すのだと思う。

桜田淳子の場合

統一協会というと、どうしても桜田淳子を連想してしまう。

アイドル歌手として成功し、女優への転換も比較的うまくいっていただけに、多くの人から惜しまれたし、表舞台から消えてからも復帰を待望視されている。

「東京スポーツ」(2012年10月30日付)では、復帰がままならないから韓国で復帰を、という話もあった。

歌手兼女優だった桜田淳子(54)が芸能界引退に追い込まれてから20年ー。いまだに復帰のメドはたっていない。「復帰したくても統一教会を脱会しない以上、不可能ですよ」(関係者)
 桜田は1992年8月に“霊感商法”が社会問題になった世界基督教統一神霊協会の“合同結婚式”に、当時の所属事務所「サンミュージック」の反対を押し切って出席。実業家の東伸行さんと結婚したことで事実上の芸能界引退に追い込まれた。
 音楽関係者は「今から6年前に所属レコードのビクターが桜田のベストアルバムを発売して、復帰を画策するんですが、サンミュージックの復帰の条件は統一教会からの脱会ということで、復帰を見送られたんです」と明かす。
 その後、桜田はエッセー集を出版したり、月刊誌「婦人公論」のインタビューに応じて、復帰を画策するが、失敗に終わっている。
「最近の桜田は日本での復帰を諦めたのか、ハングルを勉強して、韓国にも住居を構えたという情報があります。韓国で再デビューするのではといわれてます」(事情通)
 桜田の思惑通りに事は運ぶのだろうか…。
2018年3月21日には、桜田淳子の45周年記念ベストアルバム『Thanks45~マイ・アイドロジー~』が、公式サイトで限定販売された。

テレビでの復帰がままならないということで、アルバムを販売したのだ。

過去の楽曲だけでなく、35年ぶりの新曲も含まれている。

同年3月27日には、東京・銀座の博品館劇場でコンサートも行ったが、380人の定員に1000人以上詰めかけたという。

これまで、何度も取り沙汰されてきた、テレビ等メディアの“表舞台”復帰の動きが、還暦という区切りもあって、いよいよ本格化してきたところだが、それでも2019年現在、テレビには復帰できていない。

桜田淳子自身は自分の意志かもしれないが、いずれにしても惜しい話である。

統一協会―集団結婚の裏側 (かもがわブックレット (52))
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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