ヒハツ(長胡椒)は、血管を広げ血流を促進する作用が期待され、健康維持や冷え性改善向けの注目スパイスとして近年人気が高まっています。この記事では、ヒハツの健康効果、シナモンとの違い、メリット・注意点を中心に解説します。
ヒハツとはどんなスパイス?
ヒハツは南アジア原産のコショウ科の香辛料で、英語では「ロングペッパー」とも呼ばれます。インドのアーユルヴェーダでは「長寿の薬草」として古くから重用され、インドやインドネシアなどでは料理や飲み物に幅広く使われています。香りはほんのり甘く清涼感があり、コショウのようなピリッとした辛味も併せ持つのが特徴です。
ヒハツの健康効果(メリット)
血管拡張・血流促進・高めの血圧対策
ヒハツの辛味成分「ピペリン」には、血管を広げて血流を促進する働きがあります。ピペリンは体内で「一酸化窒素(NO)」の産生を促進し、血管の平滑筋に作用して血管を拡張、血液の流れをスムーズにするのです。そのため、冷え性やむくみの改善、高めの血圧対策などに有効とされています。
「ヒハツ由来ピペリンは、血管を拡張することで高めの血圧*を改善すると考えられています」(大正製薬)
ヒハツが血管拡張に関与するメカニズム
ヒハツが血管拡張に関与するメカニズムは、主成分である「ピペリン」による“一酸化窒素(NO)”の産生促進作用にあります。具体的には以下のような流れです。
ピペリンがeNOSを活性化
ヒハツに多く含まれるピペリンは、血管内皮細胞に存在する酵素「eNOS(内皮型一酸化窒素合成酵素)」の働きを高めます。
一酸化窒素(NO)の産生が増加
活性化されたeNOSにより一酸化窒素(NO)が多く産生されます。
NOが血管平滑筋に作用し拡張を促す
NOは血管の中膜にある「平滑筋」に作用し、筋肉の緊張をゆるめて血管を拡張させます。
血流量が増え、血圧改善にもつながる
血管の拡張によって血流がスムーズになり、結果として血圧の維持や冷え・むくみの改善に寄与します。
ヒハツの血管拡張作用が血流改善に効果的な理由は、「血管が拡がることで、血液の流れが物理的に増え、組織への酸素・栄養供給が効率化される」ためです。
詳しく解説
ヒハツ主成分のピペリンは、血管内皮細胞のeNOS(内皮型一酸化窒素合成酵素)を活性化させることで一酸化窒素(NO)の産生量を増やします。
生成されたNOは、血管の平滑筋に作用しこれを弛緩させ、**血管径を拡大(血管拡張)**させます。
血管の内径が広がると、**同じ圧力でも多くの血液が流れる(流量が増える)**ことになります。
結果、手足や皮膚などの毛細血管まで血液がより行き届き、冷えやむくみの改善、組織のコンディション維持効果が期待できます。
もう少し専門的に
通常、血管が狭まると血流が滞ってしまい、体の末端や皮膚へ十分な血液(酸素や栄養)が届きません。ヒハツによる拡張作用は、この「ボトルネック」を解消し、末端まで血液がスムーズに流れる仕組みです。
血流が改善されると、代謝の促進、老廃物の排出、体温の維持など、さまざまな生理機能が活発になります。
「ヒハツが、血管を拡張させる酵素の生成を促進することが明らかに。血管が拡がると、そこを流れる血流量が増え、血流の改善につながります。」
つまり、血管は“血液の通り道”なので、その道幅(内径)が広がること自体が血流改善の本質であり、ヒハツがその働きを助けるスパイスだと言えます。
冷え・むくみ改善/内臓温度UP
ヒハツは内臓温度を上げやすいという研究報告もあり、冷え症対策やむくみの予防にも効果的とされています。特に、生姜に比べて少量で効果が期待でき、日常の食事に手軽に加えやすい点も魅力です。
その他:抗菌・抗炎症・代謝促進
アーユルヴェーダでは古くから「長寿の薬草」として扱われ、抗炎症、抗菌、代謝促進、免疫力向上などの多様な効果も言及されています。
シナモンとの違いとヒハツの特徴
ヒハツとよく比較されるスパイスが「シナモン」です。両者とも清涼感ある甘い香りが共通していますが、ヒハツはコショウ科、シナモンはクスノキ科と植物学的にも異なります。
最大の違いは「クマリン」という成分にあります。シナモンのうち「カシア種」には肝障害リスクのあるクマリンが比較的多く含まれますが、ヒハツにはクマリンがほとんど入っていないため、心配なく日常的に使いやすいのです。
スパイス | 主な成分 | 血管拡張作用 | クマリン含有 | 安全性 |
---|---|---|---|---|
ヒハツ | ピペリン | 強い | ほぼなし | 適量なら安全 |
シナモン | シンナムアルデヒド | あり | 多い(とくにカシア種) | 過剰摂取は注意 |
ヒハツを健康食品として取り入れるメリット
少量でOK:1日1g(小さじ1/2~1杯分)で十分効果が期待できます。
手軽に使える:コショウのようにふりかけて、肉・魚料理、野菜炒め、カレー、飲み物など幅広く活用できます。
辛さ+甘い香りで料理や飲み物の風味も豊かに。
気をつけるべきポイント・注意点
ヒハツ自体に有害成分の報告はほぼありませんが、以下の点には注意してください。
過剰摂取はNG:1日1gを目安に。大量摂取は胃痛、下痢、吐き気等の消化器症状を招くことがあります。
妊娠中・授乳中・小児の摂取は控えめに:安全性データが少ないため、医師にご相談ください。
低血圧や持病がある方、薬を服用中の方も医師相談を:血圧降下作用や薬効への影響が懸念されます。
辛いので敏感な方は少量から:辛味成分ピペリンが強く胃腸への刺激となる場合があります。
まとめ
ヒハツは血管を広げ、血流や冷え・むくみ改善、高めの血圧対策など、多彩な健康メリットが期待できるスパイスです。クマリンがほぼ含まれず安心して使えるのも大きな特徴。日々の食事や飲み物にふりかけて、健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。ただし、1日1g以内を目安に適量を守りましょう。
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