「当たり屋」とは故意に交通事故を起こし、損害賠償や保険金を不正に請求する犯罪行為を指します。その問題点を今回は明らかに

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「当たり屋」とは故意に交通事故を起こし、損害賠償や保険金を不正に請求する犯罪行為を指します。その問題点を今回は明らかに

「当たり屋」とは故意に交通事故を起こし、損害賠償や保険金を不正に請求する犯罪行為を指します。その問題点を今回は明らかにします。近年ではドライブレコーダーの普及により、証拠を収集しやすくなっていまずが、それでも「当たり」に来る事件はあるからです。

「当たり屋」実刑判決事件の解説と批判

最近の「当たり屋」事件で話題になったのは、2023年に起こった、「未遂」でありながら犯行が実刑となった事件です。

SNSでは、いまだにOGPがポストされています。


2023年9月、岩手県宮古市で発生した「当たり屋」事件に対し、盛岡地裁は45歳の男に懲役1年の実刑判決を言い渡しました。

この事件は、ドライブレコーダーの映像が決定的な証拠となり、犯行の一部始終が明らかになったことで社会的な注目を集めました。

「当たり屋」とは、車や自転車にわざと接触して怪我を装ったり、物品が壊れたと主張して弁償を要求したりします。

このような行為は詐欺罪や恐喝罪に該当する可能性があり、近年ではドライブレコーダーの普及により、証拠を収集しやすくなっています。

にもかかわらず、まだこうした事件はあるようです。

本記事では、岩手の「未遂」事件の概要、当たり屋犯罪の社会的背景、法的評価、そして現代社会における課題と批判を詳しく論じます。

事件の概要

被告は、2023年7月21日、宮古市西町の市道で19歳の男子学生が運転する軽トラックにわざとぶつかり、交通事故を装って示談金をだまし取ろうとしました。

判決では「卑劣な犯行」と断じられ、過去の窃盗事件で執行猶予中だったことも考慮され、懲役1年の実刑となりました。

ドライブレコーダーには、被告が車を確認しながら肩からぶつかる様子が記録されており、示談金2万円を要求する交渉も映像で残されていました。

しかし、上掲の動画では、わざわざ当たりに行ったことが明白で、しかも右半身であたっておきながら、左肘を抑えるという、本気で「当たり屋」をやっているのかすら疑われるようなやり方です。

当たり屋犯罪の手口と歴史

当たり屋とは、わざと車や自転車などにぶつかり、事故を装って損害賠償や示談金をだまし取る犯罪者を指します267。この手口は戦前から存在し、組織的な犯行も少なくありません3。自動車の普及とともに増加し、時代とともに手法も巧妙化しています。

近年はドライブレコーダーや防犯カメラの普及で摘発が容易になったものの、依然として犯行は後を絶ちません。被害者は突然の出来事にパニックとなり、その場で現金を支払ってしまうケースも多いのが実情です46

法的評価と刑罰

当たり屋行為は、主に詐欺罪または恐喝罪に問われます。どちらも「10年以下の懲役」という重い刑罰が規定されており、罰金刑はありません2。初犯であっても有罪となれば懲役刑が科される可能性が高く、特に余罪が多い場合や被害額が高額な場合は実刑が下されやすい傾向にあります2

今回の事件では、被告が執行猶予中であったことも重く受け止められ、求刑1年6か月に対し1年の実刑判決となりました1

ドライブレコーダーの役割と限界

ドライブレコーダーの普及は、当たり屋犯罪に対する強力な抑止力となっています。事故やトラブルの客観的な証拠を残すことで、被害者が不利な立場に立たされるリスクを大幅に減らしています5

しかし、犯行が完全になくなるわけではありません。加害者が「ドラレコがついているとは思わなかった」と証言するなど、犯罪者側の認識不足や、そもそも犯罪を思いとどまらせるまでには至っていない現実もあります13

社会的批判と課題

1. 犯罪の卑劣さと被害者の心理的負担

当たり屋は、善良な市民をターゲットにし、突然のトラブルで冷静な判断を奪い、金銭をだまし取る極めて卑劣な犯罪です。特に今回の事件では、19歳の若者が被害者となっており、精神的ショックや社会不信を招く深刻な問題です1

2. 再犯と更生の難しさ

被告は執行猶予中の再犯であり、更生の機会を活かせなかったことが強く批判されます。刑事司法の観点からも、再犯防止策や社会復帰支援のあり方が問われます。

3. 社会全体の防犯意識の向上

ドライブレコーダーや防犯カメラの普及は一定の効果を上げていますが、最終的には市民一人ひとりの防犯意識向上と、トラブル時の冷静な対応が不可欠です。警察や保険会社への迅速な連絡、現金での即時示談を避けることが重要です567

結論と提言

今回の「当たり屋」事件は、現代社会における犯罪の卑劣さと、証拠技術の進歩が犯罪抑止に果たす役割を象徴しています。ドライブレコーダーが決定的証拠となったことで、被害者の正当性が証明され、加害者の責任が明確になりました。

しかし、犯罪の根絶には至っておらず、再犯や模倣犯のリスクも残ります。社会全体で防犯意識を高め、被害に遭った際の冷静な対応を徹底することが求められます。同時に、再犯者への更生支援や社会復帰の仕組みも見直すべきでしょう。

「当たり屋」は決して許される行為ではありません。今後も技術と法の両面から、こうした犯罪を根絶するための取り組みが必要です。

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