バイオラバー業者薬事法違反か?推奨した医師の責任は?

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バイオラバー業者薬事法違反か?推奨した医師の責任は?

バイオラバーをご存知だろうか。大阪のゴム素材メーカー・山本化学工業が製造するバイオラバーの販売業者に対して、「販売行為は薬事法に違反する恐れがある」と「朝日新聞」(2009年10月20日付)に指摘されている。薬事法違反という話である。

水道橋博士が推しまくり

朝日新聞が調べたところ、「がん治療効果がある」などと説明して販売していたのは東京に本社のある健康用品販売会社。

同社は東京のほか大阪、京都などに店舗があり、ホームページに定期的にバイオラバーに関する「説明会」の案内を掲載していた。バイオラバー自体を紹介するページもあったが、現在は削除されている。

説明会では、同販売会社の担当者らが「バイオラバーは遠赤外線を出し、がんを抑制する効果がある」などと説明し、バイオラバーを使ったマットやベストなどの商品を販売していたという。

自称インテリ健康オタク・水道橋博士の本は、わざわざ博士が山本化学工業まで訪ねていって社長をインタビュー。

事実上のペイドパブ記事を堂々と掲載していた。

バイオラバーというのは、ベスト型やハンカチ型、毛布型などのゴム素材。

同書によると、それは、身につけたりこすったりすることで、がんだけでなく電磁波被害も予防できると断言していた。

宇宙服のように全身を覆うわけでもあるまいし、何で電磁波を遮断できるのだ。

そもそも電磁波だって、リスクは懸念されているが、はっきりとしたことはわかっていない。

筆者は科学主義者ではないから、予防原則は尊重する立場だ。

が、どのくらいのリスクがあるかわからないものに、これまたどのくらい防げるかわからないものを以て、「予防」などという了見は信用しようがない。

だから筆者は、このゴム素材について、「いつの日か行けるかもしれない惑星の土地を売りつけられるような怪しさ感を拭えない」とこの本に書いてやった。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


こういう場合、業者だけでなく、博士の本にも責任があるのではないか。

医師までが推奨していた

そして、この件が刑事的な問題として発展するのなら、もっと深刻な問題を指摘せざるを得ない。

「がん患者のあきらめない診察室」というサイトで、がんの医療相談を行っている某医師が、このバイオラバーを推奨し、35万円のベスト型を27万円で勧めていた事実がある。

この医師は、ネットで化学療法のアドバイスをすることで、一部のがん患者には知られている医師だ。

だが、筆者は、気持ちに余裕のないがん患者がネット診療に依存することに対して、懐疑的な立場である。

いずれにしても、この医師はバイオラバーを推奨した事実に対して、弁明なり自己批判なりをすべきであると思う。

それについては知らぬ顔の半兵衛を決め込んで、一方で偉そうに標準治療をこきおろすのは、エビデンスのない民間療法を支えるナンチャッテ博士と結局は同じ立場なのである。

……と、書いたところで、下記に「医師」を装うコメントあり。

「がん患者のあきらめない診察室」の「医師」を装っているが本人かどうかはわからない。

客観的な証明はないし、「医師」の熱心な信者という可能性もある。

ただ、書き方からすると本人である可能性もないわけではない。

いずれにしても、そのまま公開してここには筆者の見解を述べよう。

あとは、読まれた皆さんがご判断いただきたい。

医師らしき人のコメント

がん患者のあきらめない診察室より :

記事を拝見しました。この問題についての私の見解は当然あります。ですのであなたと直接の面談かメールでのやり取りを希望します。勿論あなたが私から逃げなければの話ですが。
今まで私と見解を異なる方について私は必ず討論を申し込みますが殆どの方が敵前逃亡されています。あなたは私の討論の申し出を受ける勇気がありますか?
場所と時間はそちらがご指定ください。あなたが不安ならそちらは立会人を付けてもかまいませんしテープレコーダーで討論を録音されても構いません。そちらが有利すぎて怖いですか?
私は自分の考えを述べるのに逃げるつもりもなければ隠れるつもりもありません。私から逃げる人はごまんといますが。
正々堂々討論を受けることを強く希望します。それができなければ他人のことをよくも知らず批判をしないことですね。
それでは1週間以内の返事をお願いします。

医師らしき人のコメントに答える

「がん患者のあきらめない診察室」の医師については、一部のがん患者から支持されているようだが、その主張の仕方については批判もあるようだ。

批判が正しいとは限らないが、このコメントを見ると、なるほどなぁ、と思う。

いきなり「逃げるな」とか、常識を疑う書き方ではないか。

>正々堂々討論を受けることを強く希望します。それができなければ他人のことをよくも知らず批判をしないことですね。

要は、面識のない者に批判されたくないということらしい(あっても批判を許さない感じもするが)。

まず、筆者が書いたことは、「がん患者のあきらめない診察室」が、サイト上でバイオラバー購入の窓口になっていた事実である。(金額は35万ではなく33万の間違いだったが、それは本質ではないだろう)

昨日は書かなかったが、当該サイトでは「原理的には温熱療法に類似」「他の治療法と併用することで奏効性を高める可能性があり」など、バイオラバーに医学的根拠が証明されていないのに積極的な評価を与えていた。

学術的なお墨付きのないものに「原理」や「奏効性」を認めるというのは、少なくともこのブログをご覧になっている方からはトンデモ扱いされるだけだろう。

「温熱療法」というのが何を指すのかわからないが、医師が「温熱療法」といえば、普通はハイパーサーミアだと思う。

もしハイパーサーミアを指すのだとしたら、現役の医師が保険が適用されている治療と、わけのわからないゴム素材を同列に並べていることになる。

これも不見識だろう。

その後、いつのまにかバイオラバー関連の話はサイトから消えた。

が、着用の報告も出ていたので、バイオラバーを購入した相談者はいたと見られる(でっちあげなら論外だが)。

さすれば、なぜサイトから突然バイオラバー推奨のページが消えたのか、今はどう考えているか、という説明を書くべきであると思うが、全く書かれていない。

これも無責任であると思う。

いったん書かれて削除されたともいわれるが、削除してしまったら「いったん」は意味をなさない。

少なくとも昨年の今頃は、書かれていた。

それを読み、個人的にバイオラバーを購入。

3か月ぐらいたって他者との比較情報を知りたくてサイトを見たらなかった、ということだってあるだろう。

当該サイトは、そういう人に対してどう責任を取るのだろうか。

ずっとサイトを見なかったのが悪い、日頃からチェックしろ、と開き直るのだろうか。

病気関連のサイトなど、必要に迫られなければ好んで見るはずがないだろう。

少なくとも、得体の知れないゴムを医師が採り入れている、という見方をサイトの閲覧者にされても仕方のない展開に何らけじめをつけない責任は問われて然るべきであろう。

当たり前の話だが、いったんネットに公開されたそうした事実について、その著者と討論しようがしまいが、批評をするのは誰であれ全く自由である。

「他人のことをよくも知らず」と書かれているが、別に知らなくたっていいのだ。批判をするのに、いちいちその人物の日常生活や人間性まで調べなければならないのか?

「日常生活や人間性」について書くのならそうかもしれない。しかし、筆者は「医師」のそれらについて書いたわけではない。

「医師」の医師としての技量の評価をしたわけでもない。サイトでバイオラバーについて触れていたという事実を批判しているだけである。

なのに「正々堂々討論」しなければ書いてはいけないのか? 

そーんなルールは聞いたことがない。憲法か民法か知らないが、第何条に書かれているのか後学のために知りたい。

たとえば、筆者の書いたことが事実無根なら、そう主張すればいい。

万が一、もし筆者に誤解があるのなら、常識を疑われるような「宣戦布告」などシコシコ書いていないで、コメントでどこがどう誤解なのか明らかにすればいい。

筆者の認識違いなら、訂正・謝罪した上で、討論だろうが取材だろうが、いくらでも聞き取りして本当のことを書き直そう。

事実なら、筆者が書いたことは正当な批評の範囲にあるものだから諦めることだ。

それが気にくわなければ、自サイトで「正々堂々」と再反論でもシカトでも、好きにすればいい。

という筆者の言い分は何か間違っているかな?

その後

がん患者のあきらめない診察室より :

貴殿の言い分は拝見しました。何か勘違いされているかと思いますので誤解を解いて差し上げます。
念のため申し上げますと私は貴殿の記事に訂正も釈明を求めるつもりは毛頭ありませんよ。誰であろうと私を批判するのは勿論ご自由です。
ただ私が知りたかったのは貴殿がどういう立場で私を批判したか確かめたかっただけですよ。だから貴殿にコンタクトを取りましたが今回の貴殿の記事で大体理解できました。
それと物書きを自称されているよう方ですので私のような臨床現場で仕事をしている医者とまるで思考形式が違う方という事も理解できました。それはそれで有意義でした。
さて本題に戻ります。貴殿の私に対する疑問に答える用意がありますので、貴殿にとり美味しい記事になりますから私と直接会えばいいではありませんか(笑)
私の答えを聞いて更に貴殿が批判の記事を書くのはご自由ですし。但し私の答えを捏造はしなければ。捏造記事を書くのがマスコミの方は得意としているようですし。
私からも貴殿にお尋ねしたいこともありますし。
さてそれでは11月3日当方は貴殿のために予定を空けました。私は貴殿に会う用意がありますよ。お互い思考形式も価値観も異なるようですからお互い理解することは難しいと思いますがお互いに相手の言い分を聞くことは無駄ではないでしょう。
それでは返事を待ちます。

みゆ :

末期癌患者を抱える家族の者です。
ここで話題になっている医師の、今は削除されているバイオラバー関連の記載は当時、ひととおり目を通していますが、その内容を要約すると、
癌に効果があると発表されているバイオラバーに本当に効果があるか無いかはわからないが、少なくとも副作用は無さそうなので、試してみたい方がいれば症例として集めたい。販売元である山本化学の協力が得られたので、安価に提供することもできる。ただし何度も繰り返すが癌に効果があるか否かはわからない、わからないから調べるんだ
というものでした。
ごく一部の癌を除き、抗がん剤は強い副作用と引き換えに多少の延命効果が期待される程度の効果しかありません。ですから少しでも可能性のあるものは何でも調べてみようとするこの医師の姿勢は特段否定されるものではないと私は思います。
なお、記事が削除された件については私も疑問に思いましたので、当時、当人にメールにて照会したところ、忙しい中、長文のお返事もいただいております。
医師のサイトを興味本位で読まれている方はともかく、癌患者やその家族であればそれくらいの情報収集はしますから、その効果の有無について、ネット上の正体不明の方の見解ではなく、実際に癌の治療を行っている医師に自ら調べた結果を教えてもらえたことは大変にありがたく思っております。
故にこのような一方的な批判文は残念に思います。

ふつぱ :

患者や信者が、いいというんならいいんじゃない。
薬事法違反とか、エビデンスがないとかいう話は客観的な話だから、
それを信じたくないという人に言っても無駄だし。
信じて死んでいくのも、がん患者本人にとっては幸せかもしれないしな。

健康情報・本当の話
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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