羽田クロノゲート(大田区羽田旭町)は羽田の立地を活かした日本最大級の物流ターミナルで障害者雇用の直営店もあります。クロノゲート名称の由来は、ギリシャ神話における時間の「神」(クロノス)と「門、出入り口」(Gate)の2語を組み合わせたそうです。
羽田クロノゲート概要
羽田の新しいシンボルはクロネコヤマトの“総本山”
京急羽田空港線穴者稲荷駅といえば、駅名通りのスポットである穴守稲荷神社があります。
駅前に鳥居があるぐらいですから、まさにシンボルと言っていいでしょう。
この羽田の街に、それに加えて新しいランドマークが誕生したのです。
それが、クロネコヤマトでお馴染みのヤマト運輸グループ“総本山”といわれる、羽田クロノゲートです。
京急羽田空港線穴守稲荷駅を出て、駅前商店街すずらん通りを環八方面に歩き、環八にぶつかる交差点から見えます。
物流の様々な機能が一体化した大型複合施設
羽田クロノゲートは、ヤマトグループ物流機能集結大型複合施設として機能しています。
クロネコヤマトといえば、日本全国を結ぶ宅急便です。
そのターミナルとして、在庫保管や流通加工を行う物流センター、スピード配送を行う国内航空便、航空輸送や海上輸送による国際物流など、様々な機能が一体化した大型複合施設になっています。
羽田は、環八通り(国道131号との重複区間)に面したところにあります。
近くには東京国際空港(羽田空港)、首都高速道路1号羽田線の羽田出入口、東京港からの海運、東京貨物ターミナル駅からの鉄道貨物輸送などのアクセスが可能です。
羽田クロノゲートの公式サイトでは、「羽田クロノゲート」という名称の由来について、こう説明しています。
ギリシャ神話における時間の神(クロノス)と、国内とアジアの「ゲートウェイ」となるべく、ゲート(Gate)=「門、出入り口」の2語を組み合わせであると。
ヤマト運輸は、羽田クロノゲートを、アジアと日本の物流の「結節点」と位置づけています。
羽田クロノゲートは、『新しい時間と空間を提供する物流の「玄関」であるとともに、物流の新時代の幕開け』を表現していると、2015年度「グッドデザイン賞」を受賞しています。
羽田クロノゲートは、陸・海・空の「スピード輸送ネットワーク」と、高度な「付加価値機能」を一体化した日本最大級の物流ターミナルとしてヤマト運輸のヤマトロジスティクスが運営しています。
クロノゲート内見学もあり
羽田クロノゲートの正門です。
全体像は広すぎて撮りきれなかったので、公式サイトより。
とにかく広いですね。
敷地正面にはなだらかな芝生の小山があります。
そして、一部が欠損した黒猫を描いた石が。
更に進むと、噴水の出るところがあり、お子さんが水着で遊びに来ています。
とくに許可書も要らないので、近所の方の遊び場になっています。
受付棟にがんばっているのは、大きなクロネコです。
隣には宅急便の車が展示されています。
クロネコヤマトの受付棟らしい展示です。
もっと知りたいな、と思ったのですが、残念ながらここまでです。
羽田クロノゲート内の物流見学コースは撮影禁止で、そもそも事前予約がないと入れませんでした。
ただ、見学は事前予約で受け付けています。
関心のある方はお申し込みください。
スワンベーカリーと障害者雇用
ヤマトグループのの「特例子会社」
羽田クロノゲートでは、ヤマト運輸、ヤマトホールディングスなど、ヤマトグループ約2000人の社員が働いているといいます。
物流関係の作業だけではなく、羽田クロノゲートの敷地内には、スワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店(運営会社は株式会社スワン)という、障害者の自立と社会参加の支援を目的としたパン屋さんがあります。
もちろん、クロネコヤマトグループの会社です。
クロネコヤマトの「障害者枠」を受け持つ会社
スワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店の運営会社であるスワンは、ヤマトホールディングス株式会社の特例子会社です。
特例子会社(とくれいこがいしゃ)とは何でしょうか。
特例子会社というのは、障害者の雇用の促進等に関する法律第44条の規定により定められた会社です。
一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受けて、障害者雇用率の算定において親会社の一事業所と見なされる子会社のことです。
というのも法律では、従業員50名以上を擁する会社は、従業員全体の2.0%以上は障害者を雇用することが義務付けられています(重度障害者の場合は2名として計算される)。
ただし、会社の事業主が障碍者に特別な配慮をした子会社を設立して一定の要件を満たせば、その子会社に雇用されている障害者が、親会社や企業グループ全体の雇用されているとして算定できるものです。
つまり、スワンとは、クロネコヤマトグループの「障害者枠」を受け持っている会社といいかえてもいいでしょう。
「作品」作りではなく「商品」作りを
クロネコヤマト公式サイトによると、クロネコヤマトの生みの親である小倉昌男氏が、1993年にヤマト福祉財団を設立。
障碍者の自立と、社会参加の支援を目的としたことが始まりだそうです。
1995年1月に阪神淡路大震災があり、障害者の働く共同作業所を訪ねた際、そこで障碍者が手にする給料がわずか1万円(当時)にも満たない。
小倉昌男氏は、障害者が自立するにはほど遠い現状に疑問を持ちました。
そこで小倉昌男氏は、障害者が低賃金からの脱却を図るため、「作品」作りではなく「商品」作りを目指したセミナーを、1996年から全国各地で開催します。
この過程の中で、月給10万円以上支払うことを実践する、「焼き立てのおいしいパンのお店」を開くことを決めたのです。
それが、スワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店につながっているわけです。
障害者の支援に対しては、しばしば、障害者に金をかけるなというような論調があるのですが、障害者が経済的に自立し、会社としても事業が成立するのなら、これに尽きるものはないと思います。
食事もできるカフェとベーカリー
それでは、具体的にスワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店です。
「カフェ&ベーカリー」という店名通り、喫茶や食事をするスペースと、ベーカリーとがあります。
カフェといいながら、ステーキも提供されます。
ベーカリーで購入したのは、トッピングがハート型のHappyクリームパン。
中にクリームが入っています。
もうひとつは、クロネコヤマトのロゴとクロノゲートと刻印されているクロノマドレーヌです。
シフォンケーキの生地です。
環八通りを隔てて、羽田クロノゲートの向かいには、穴守稲荷神社と、旧日本航空訓練センターがあります。
かつては、『スチュワーデス物語』のロケ地としても使われたところです。
羽田クロノゲートも含めた“ツアー”ができますね。
羽田クロノゲートのまとめ
羽田クロノゲートは、名前通り羽田にあるクロネコヤマトの物流ターミナルを中心とした“総本山”です。
敷地の中には、一般の人も楽しめる噴水や、障害者を雇用したスワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店もあります。
クロノゲート名称の由来は、ギリシャ神話の「神」と「門、出入り口」の2語を組み合わせたそうです。
以上、羽田クロノゲート(大田区羽田旭町)は羽田の立地を活かした日本最大級の物流ターミナルで障害者雇用の直営店もあります、でした。
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