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痛風は痛いが、尿酸値が高いからがんになりにくいという説がある。根拠は、尿酸には強い抗酸化作用があることらしい。

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痛風は痛いが、尿酸値が高いからがんになりにくいという説がある。根拠は、尿酸には強い抗酸化作用があることらしい。

痛風は痛いが、尿酸値が高いからがんになりにくいという説がある。根拠は、尿酸には強い抗酸化作用があることらしい。それがすなわち、痛風はがんにならない。もしくはなりにくいという節になるわけだ。しかし、がん対策はそんなに単純なものだろうか。

痛風は、ある日突然、足の指の関節などが赤く腫れて激しい痛みが起きる病気だ。

原因は、血液中の尿酸が多くなることだ。

食べすぎ、運動不足、ストレスなどが尿酸を増やしてしまう。

痛風の原因は、高い「尿酸値」にある。

尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を、「高尿酸血症」という。

尿酸値が高ければ高いほど、また高尿酸血症の期間が長ければ長いほど、痛風を起こすリスクは高くなってくる。

この尿酸が、抗酸化作用があるという。

だからそれが、がんに効くというのだ。

しかし、がんは、抗酸化だけがすべてではないだろう。

抗酸化なら、サプリメントでも食材でもいろいろある。

それらでも決定打にならないから問題なのである。

痛風とがんについては、直接的な因果関係を証明した論文はない。

つまり、痛風の人ががんになりにくいということは科学的には証明されていないということだ。

ただし、痛風の治療に使用されるアロプリノールは、尿酸値を下げる作用があることから、がんの発症リスクを低下させる効果があるとする研究結果が報告されている。

アロプリノールには、がん細胞の増殖を防ぐ作用があるとされている。

しかし、このような効果があるとしても、痛風の治療にはアロプリノール以外にも、食生活や運動などの対処法がある。

また、がんにならないとしても、痛風が放置されると、関節炎や尿細管結石の発症リスクが高くなるため、適切な治療が必要になる。

スケプティクスとして考えるといかがなものかと思う。

以上のことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

痛風とがんは無関係という結論

結論から述べると、痛風ががんになりにくい、という説は医学的に認められていない。

言い換えると、痛風とがんは無関係である。

筆者の身内で、痛風の者がいるが、前立腺がんとMDSRA(骨髄異形性症候群)になったので、筆者個人はそもそもその説は最初から信用していない。

そういうことなら、医師は通風になることを奨励するだろう。

基本的に「がん」についての話は、それを食べると(飲むと、吸うと)がんになりやすい、ということはあっても、逆はないと思っている。

セールスマンが、これをやったら絶対失敗するというセールス話法はあっても、逆にこれをやったら絶対成功するというものがないのと同じである。

尿酸値が高いとがんになりにくい? というテーマで、『日刊ゲンダイ』(2015年9月1日付)の「医療用語基礎知識」という連載で、医療ジャーナリストのやなぎひさし氏が、「痛風とがんは無関係ということが、現在の医学界の定説になってい」ると書いている。

『日刊ゲンダイ』(2015年9月1日付)

『日刊ゲンダイ』(2015年9月1日付)

そして、真偽の程が確かめられていないものとして、「尿酸値が高いとアルツハイマー病にかかりにくい」という説もあるそうだ。

尿酸は、抗酸化作用があるから、脳細胞を酸化ストレスから保護することで、アルツハイマー病にかかりにくいとされるわけだ。

しかし、抗酸化作用が脳細胞を酸化ストレスから保護すると、どうしてアルツハイマー病にかかりにくいのかというメカニズムは不明である。

これも、メカニズムがはっきりしないかぎり、直ちに信じてしまうのはそそっかしい態度だと思う。

がんにしろ、アルツハイマー病にしろ、まだまだわかっていないことがある。

なのに、それを確実に防ぐ方法だけが明らかというのは、おかしいと思わないか?

がんへの恐怖から、なんか解決策があると、ホッとするのだろうが、本当かどうかわからないものにホッとしても仕方ないだろう。

引き続き調べていただきましょう

それをいうなら、秋ウコンの含まれるカレーを食べる習慣があるインド人に、アルツハイマー病が少ないという説のほうがよほほどそれらしい根拠がある。

『なぜ、東大生はカレーが好きなのか 脳を鍛える最強の食事術』(吉田たかよし著、祥伝社)によると、東京大学のある本郷3丁目界隈には、カレーショップが多いことや、クルクミンが、血液中のマクロファージに働きかけ、アミノイドベータという、アルツハイマー病を引き起こす危険物質を取り除くということが書かれている。

これも、もちろん医学界が定説としていることではないが、少なくとも、抗酸化という抽象的なことだけで考察しているよりは、よほど具体的な検証の道筋ができているのではないか。

抗酸化が、健康維持に役立つらしいというだけで、具体的な疾病の対策としては引き続き調べるものであるとの見定めがスケプティクス(懐疑者)としてのスタンスではないだろうか。

それはともかくとして、記事は、尿酸のはたらきや、どのようにして痛風になるかが書かれている。

新陳代謝のカスである尿酸が、濃度が高くなることによって結晶化する。それが関節などで生じることによる痛みが痛風である。

筆者は痛風になったことはないが、過去の健診で、数年前に1度だけ、ほんの少し正常値を超えたことがある。

しかし、その翌年から、また正常値に戻り、以後数年、正常値を超えたことはない。

正常値を少し超えたからただちにどうということではないが、多くの人が以上がない範囲の自分の入れるなら、それにこしたことはないと思っている。

以上、痛風は痛いが、尿酸値が高いからがんになりにくいという説がある。根拠は、尿酸には強い抗酸化作用があることらしい。でした。

なぜ、東大生はカレーが好きなのか 脳を鍛える最強の食事術

なぜ、東大生はカレーが好きなのか 脳を鍛える最強の食事術

  • 作者: 吉田たかよし
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2010/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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