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『どですかでん』(1970年、東宝)といえば黒澤明監督の初めてのカラー作品、訃報でもちきりの田中邦衛さんの代表作のひとつ

『どですかでん』(1970年、東宝)といえば黒澤明監督の初めてのカラー作品、訃報でもちきりの田中邦衛さんの代表作のひとつ

『どですかでん』(1970年、東宝)といえば、黒澤明監督の初めてのカラー作品、訃報でもちきりの田中邦衛さんの代表作のひとつでもあります。『どですかでん』は、中心人物のロクちゃんが知的障害者ですが、いじめられもせず感動ポルノもなく描かれています。

『どですかでん』とはなんだ

このブログでは、以前、黒澤明監督の『赤ひげ』(1965年、東宝)をご紹介しました。

赤ひげ(1965年、東宝)は黒澤明監督映画では最後のモノクロ作品であり、三船敏郎にとっては黒澤映画最後の出演作です
赤ひげ(1965年、東宝)は黒澤明監督映画では最後のモノクロ作品であり、三船敏郎にとっては黒澤映画最後の出演作です。小石川養生所を舞台にした山本周五郎原作の人情時代劇。新出去定が三船敏郎、保本登を加山雄三、森半太夫を土屋嘉男が演じています。

『赤ひげ』は黒澤明監督映画では最後のモノクロ作品であり、三船敏郎にとっては黒澤映画最後の出演作です。

小石川養生所を舞台にした山本周五郎原作の人情時代劇。新出去定が三船敏郎、保本登を加山雄三、森半太夫を土屋嘉男が演じています。

その中で、小石川養生所にたびたび食べ物を盗みに来る男の子、長次(頭師佳孝)がいました。

頭師佳孝の長いセリフを言い切る演技力はすばらしく、黒澤明監督は、自らの初めてのカラー作品にも抜擢しました。

それが、『どですかでん』です。


『どですかでん』(1970年、東宝)は、ごみの集積所の一画に形成されたガレキ街を舞台に、市井の人びとの生活を描いた群像劇です(140分)。

山本周五郎の小説『季節のない街』が原作です。

木下惠介・市川崑・小林正樹の各氏と結成した、四騎の会の第1作ですが、監督は黒澤明。

つまり、山本周五郎、黒澤明、頭師佳孝というトリオの第2弾作品でもあるわけです。

見るとわかりますが、1970年の映画とは思えない、実に鮮やかな色味です。

ただし、『どですかでん』は、“黒澤明の凋落の契機となった失敗作”という評価もあります。

作品の評価も批判的なものが少なくなく、興行収入もそれほど多くなかったのです。

その批判者たちが、黒澤明監督に何を期待したのかわかりませんが、少なくとも私は、映画史上エポックメーキングな作品だと思っいています。

なぜかというと、「障碍者を当たり前に」描いているからです。

障碍がある登場人物と言うと、主人公としてその行動が主に感動的側面からフォーカスされたり、ストーリーをかき乱したりする特異な描かれ方が多い。

つまり、障碍それ自体がドラマツルギーを構成しているのです。

しかし、現実の障害者は、障碍による支障があるのは確かですが、特別ドラマチックに生きているわけではありません。

『どですかでん』の六ちゃんは、集落の向こう側の子どもたちからは石を投げられますが、本人はどこ吹く風。

集落では、いじめる人もなく、かといって腫れ物に触るでもなく、ロクちゃんの言動をごく当たり前のこととしてストーリーが進んでいます。

これほど、障碍者とインクルーシブな関係を築いている映画はないと思います。

ああ、黒澤明監督が描きたかったのはこういうことなのか、と私は感動し、この映画は邦画史上ベスト3に入れたい名作だと思っています。

あらすじ


冒頭から登場する、かき揚げ屋の一人息子である六ちゃん(頭師佳孝)は知的に障害があり、学校にも行かずに電車のエア運転をするのが日課です。

かき揚げを揚げて生計を立てている母親(菅井きん)は、“おそっさま”を拝みながら息子の行末を案じています。

六ちゃんは、朝から晩まで、寒い日も風の日も、ひたすらスラムの端から端まで「どですかでん」と言いながらエア都電運転で往復しています。

このパントマイムが圧巻です。

ガレキが積み上げられた貧困街の人たちの暮らしはたしかに一般的に見ると、おもしろ困った人たちです。

他の登場人物も素晴らしい。

鬼ワイフ(丹下キヨ子)がタバコ咥えながら出てくると、近所の人達は顔を背けます。

八百屋のキャベツを「表面が腐ってるから」とむしって主人(谷村昌彦)に強引に量り売りさせたり、足が悪く顔面神経痛の夫・伴淳三郎が同僚を連れてきても挨拶もせず銭湯に行ったりします。

一方、伴淳三郎はガレキ街のおばさんたちに笑顔で挨拶して出勤。

ガレキ街のおばさんたちも、「旦那はいい人だけど、かみさんは……」と敬遠しています

同僚(下川辰平)が、善意で丹下キヨ子を批判すると、伴淳三郎は「ワイフは苦労した時支えてくれたんだ」と怒り出します。

夫婦の関係は、他人にはわからないものです。

田中邦衛・吉村実子と井川比佐志・沖山秀子は、ともに日雇い労働者。

仲が良すぎて、あることがきっかけでそれぞれの夫が相手の家に住むようになってしまい、また別のきっかけで元に戻ります。

要するに、さりげなく夫婦交換をしていますが、当事者にとって別に大した問題ではないようです。

ヘアブラシ職人(三波伸介)とガレキ街のアイドル(楠侑子)夫婦は、5人の子どもが、すべてガレキ街の別々の労働者たち(人見明、二瓶正也、江幡高志=江波多寛児ら)が父親という不義の子ばかりの一家らしい。

子供からは、「みんなが、父ちゃんの子じゃないという。本当?」と問われるも、三波伸介は明るく「人が何と言おうが、みんな父ちゃんの子どもだ」と子どもたちの前で明るく胸を張って子どもたちを安心させます。

でも、何も反証になっていません(笑)

「不道徳」なのはまだいます。

呑んだくれオヤジ(松村達雄)は理屈ばかりで働かず、女房(辻伊万里)が過労で倒れ、女房の姪(山崎知子)が寝る時間も惜しんで内職するも、疲れて寝入った時に、松村達雄がのしかかって姪を妊娠させてしまいます。

しかも、姪は、好きだった酒屋の店員(亀谷雅彦)を刺してしまい、それがきっかけで自分の破廉恥行為がバレそうになった松村達雄は、ガレキ街から逃げ出してしまいます。

「不道徳」はまだあります(笑)

何かというと喧嘩っ早い、くまん蜂の吉(ジェリー藤尾)ですが、女房(奈良岡朋子)が間違いを犯したことで虚脱状態になってしまった男(芥川比呂志)にはシカトされても何もできません。

木刀を振り回しているとき、彫金師(渡辺篤)に「手伝うよ」と言われたら「農作業じゃねえんだから」とすごすご引き下がるなど、ちょと空威張りでずっこけます。

あの奈良岡朋子が、間違いを犯して、芥川比呂志を虚脱状態に追い込んでしまったのです。

くまんばちの女房は園佳也子。

何と40歳過ぎてミニスカートです。

この作品は、根岸明美、吉村実子、沖山秀子など、男好きする肉感的な人がやたら出てくるので、園佳也子も頑張ったのだと思います。

まだまだ個性的な出演者はいるのですが、この辺にしておきましょう。

詳しくは、実際に作品をご覧ください。

絶対に飽きない作品です。

訃報、田中邦衛さん


田中邦衛さんの訃報でもちきりです。

Web掲示板にスレッドはいくつもたっていますが、


主なコメントを引用します。

2名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:01:14.12ID:8nU/oezw0
食べる前に飲む

8名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:01:32.92ID:7/uVeAKZ0
子どもがまだ食べてるでしょーが!

19名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:01:48.16ID:pw3UsfMA0
槇原!

20名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:01:50.39>>72
がんばれ青大将!
加山より田中邦衛のほうにシンパシー感じてたよ

55名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:02:32.38ID:6UuyPAAu0
10年くらい見てないよな

99名無しさん@恐縮です2021/04/02(金) 18:03:59.78ID:37F2HiJi0
刑事物語の第一シリーズもよかったなあ


田中邦衛さんといえば、俳優座劇場の半分は作ったとまで言われている大俳優です。

俳優田中邦衛というと『北の国から』となるんですが、それだけではありません。

歳を取ると、ひょうひょうとした芸達者とか、円熟味をました演技とか、好々爺や重厚さなどを求められる役になるのですが、『渡る世間は鬼ばかり』の藤岡琢さん也が実はちょい悪オヤジだったように、田中邦衛さんももともと『北の国から』の温厚な役におさまる人だったわけではありません。

私が印象にのこるは、『どですかでん』以外には、『若者たち』の長男太郎、若大将シリーズの青大将、『仁義なき戦い』シリーズの槙原政吉、『長崎犯科帳』の小暮良順、『男はつらいよ 奮闘篇』では福士先生役で出身地山形のネイティブな佇まいを披露しました。

田中邦衛さんは、健康にも気を使われていて、大田区の矢口渡から徒歩でご自宅に帰られることがあり、よくお見かけしました。

生前のご遺徳お偲び申し上げます。

以上、『どですかでん』(1970年、東宝)といえば黒澤明監督の初めてのカラー作品、訃報でもちきりの田中邦衛さんの代表作のひとつ、でした。

どですかでん - 頭師佳孝, 田中邦衛, 菅井きん, 加藤和夫, 伴淳三郎, 芥川比呂志, 松村達雄, 黒澤明, 黒澤明, 小国英雄, 橋本忍, 黒澤明, 松江陽一
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、曾祖叔父と“日本のケインズ”高橋是清の接点(仙台藩でワキジ時代のお世話役、そして姻戚関係か)を発見。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場からMMT支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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