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石井トミコさんの誕生日。おめでとうございます。お喋りでお節介なおばさん役として多くの映画やドラマに出演しています

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石井トミコさんの誕生日。おめでとうございます。お喋りでお節介なおばさん役として多くの映画やドラマに出演しています

石井トミコ(1935年1月12日~)さんの誕生日です。おめでとうございます。お喋りでお節介なおばさん役として、たくさんの映画やドラマに多数出演しています。どれかひとつ振り返るのは難しいですが、『家政婦は見た!』シリーズを振り返りましょう。

石井トミコさんは、かつては『肉体の門』で豊満な肉体を披露するなどグラマーな女優としても活躍しました。

しかし、おそらくたいたいの方は、おばさん女優としての石井トミコさんのイメージが強いのではないでしょうか。

近所のおしゃべりなおばさん、縁談を勧めるおばさん、口数で強引に業者に値引きさせてしまうおばさん……。

『時間ですよ』より

そんなおばさん役の象徴が、『家政婦は見た!』シリーズではないでしょうか。

『家政婦は見た!』シリーズ

石井トミコさんといえば、おばさん女優としてのポピュラリティをしっかり獲得しましたが、その原動力ひとつであるのが、『家政婦は見た!』シリーズです。

市原悦子演じる家政婦が上流階級の家庭に派遣され、自分が見聞した欺瞞を家族全員が集まる席で洗いざらいぶちまけて去っていく、というのがおおまかなストーリーです。

刑事ではないので、事件の犯人を逮捕するわけではありませんし、そもそも刑事事件にはならない、だけど表には出せないような話をトレンドな話題に合わせて取り上げています。

シリーズは、1983年7月2日に放映された『松本清張の熱い空気-家政婦は見た! 夫婦の秘密「焦げた」』が事実上の第1作目で、それ以後は『家政婦は見た!』というタイトルで25作続けています。

その間、レギュラーは、家政婦の市原悦子と、家政婦紹介所の所長である野村昭子で、“同僚”の家政婦たちは、第1作~第7作と、第8作以降でなぜか入れ替わっています。

石井トミコさんは、その「第1作~第7作」に出演しています。

松本清張の熱い空気

『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』(1983年、大映テレビ/テレビ朝日)は視聴率27.7%(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)をたたき出し、後に市原悦子の代表作ともされる「家政婦は見た!」シリーズにつながるその第1作です。

世田谷線の通る東京・下高井戸にある協栄家政婦紹介所(所長は野村昭子)。

そこに登録して住み込む、要するに専従の家政婦・河野信子(市原悦子)が主人公です。

“同僚”の家政婦には、石井富子(現石井トミコ)、野中マリ子、西川ひかるらがいます。

当時の家政婦サービス料金は、9時~17時で5800円、という説明テロップも出ます。

そのうち10%が紹介所の取り分だそうですが、つまり、フルタイムで580円。

しかも、彼女たちはそこで晩御飯も食べています。

『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』より

エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…

『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』(1984年10月13日)は第2作目。

本作は、「土曜ワイド劇場」の歴代視聴率記録第1位(30.9%)を記録したそうです。(テレビドラマデータベースより)

本作『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』は、1作目の『熱い空気』と何が違うかというと、まず主人公の市原悦子の役名が、「河野信子」から「石崎秋子」にかわり、所属する家政婦紹介が、「協栄家政婦紹介所」から「大沢家政婦紹介所」になりました。

家政婦紹介所も、同じ世田谷線・下高井戸ですが、撮影に使った家屋は違っています。

レギュラー陣はほぼ同じですが、家政婦の一人が、回によって野中マリ子から緋田景子に代わっています。

原作者の松本清張が、第2作目以降の制作を断ったために、別の作品として制作する必要があったそうです。

『熱い空気』では、矛盾に満ちた上流階級の家庭に入り、たとえば届いた書留を、やかんの水蒸気を使って開封するなど、市原悦子自らがルール違反をおかしながら積極的に手を突っ込んで壊していました。

が、2作目以降は、「家庭の秘密を知りたい」という就業の動機は同じでも、当時の時事ネタ、スキャンダルをモデルに設定された家庭の、欺瞞や悪事を告発したり、その家族に手を差し伸べたりなど、次第に正義感が強くなっています。

要するに、社会風刺ドラマとしての性格が強くなりました。

『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』より

食事シーン

どちらも、必ず出てくる食事のシーンですが、これはドラマの構成上、意味があるところです。

ホームドラマが全盛だった1970年代のドラマでは、必ずと言っていいほど食事のシーンがありました。

「登場人物が飯を食うシーンに何の意味がある」という投書も当時はありましたが、少なくともこのシリーズでは、意味がありました。

市原悦子が、家政婦たちの質問に答える形で、ドラマの登場人物とそのキャラクター、何が狙いでどう展開しているかを整理する役割を果たしました。

石井トミコさんは、ビールを飲みながら食事をしていることもありましたが、それは、アルコールが入ったところでざっくばらんに質問する、という役どころだったわけです。

ちなみに、同僚家政婦たちは、ほぼこの食事シーンだけの登場で、家政婦の仕事をしているシーンはありません。

いかに、食事しながらストーリーを整理する仕事が重要か、ということでしょう。

以上、石井トミコさんの誕生日。おめでとうございます。お喋りでお節介なおばさん役として多くの映画やドラマに出演しています、でした。

家政婦は見た! DVD-BOX1 - 市原悦子, 野村昭子, 高橋悦史, 梶 芽衣子, 前田 吟, 松原智恵子, 加藤 嘉, 中尾 彬, 岡田茉莉子, 目黒祐樹, 内田朝雄, 丹阿弥谷津子
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肉体の門 - 宍戸錠, 和田浩治, 野川由美子, 石井富子, 松尾嘉代, 河西郁子, 富永美沙子, 鈴木清順
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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