注射した日は入浴できない根拠は何なのか?

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注射した日は入浴できない根拠は何なのか?
注射した日は入浴できない、と子供の頃いわれた経験は、少なくとも40代以上の人ならあるだろう。しかし、その理由まできちんと把握し、納得している人はどのくらいいるのだろうか。ということで、今日は注射した日は入浴できない根拠について、スケプティクス(懐疑的、批判的)な立場から接近してみよう。

NPO団体などが、東日本大震災の被災者に「検診キット」を送るという。

自分で指に針を刺して、その血液からがんやその他疾病を診断する「在宅キット」のことだ。病院にもかかれない状態の中で簡易健康診断として役に立つことは間違いない。

忙殺され、人間ドックや1日がかりの健康診断が受けられないとき、使ったことがある人もいるのではないだろうか。

ところで、この「検診キット」は、針を刺して血を出すが、経験者の中で、その日の入浴を控えたという人はおそらくいないだろう。

だが、30代以上の人は子供の頃を思い出して欲しい。

よくいわれたのが、「予防注射をした日は入浴してはいけない」。だから注射は嫌なんだけれど、お風呂に入らなくてもいい日だ。嫌なことと嬉しいことが半々だと。

ところが、その人たちが子の親になった現在、戸惑っている。というのも、今は予防注射をしても医師の指導は「1時間後には入ってもよろしい」に変わってきたからだ。

手術後の入浴も、簡単なものなら抜糸後2日後にはOKともいわれる。医学常識が変わってしまったのだろうか。

注射の場合に入浴を禁忌とした根拠

注射の場合に入浴を禁忌とした根拠は、ひとつは接種後に激しい運動を避けるということ、もうひとつは針を刺した場合に雑菌が侵入しうることを用心したためである。

予防接種という制度自体が歴史を重ね、どのような副反応があるか、投与するワクチンの量はどの位がいいのかなどがだんだんわかってきた。

現在は予防接種後、15~30分は様子を見たり副反応がありうることを説明したりと、より安全に行われるようになっている。その中で、入浴程度なら大丈夫であるという判断をくだしているのだ。

衛生面では、生活環境の変化を上げることができる。以前は銭湯を利用する家庭もあったが、今では内風呂が当たり前のようになっており、そもそも湯船に入らずシャワーで済ませる場合もある。

人体に残る注射の後(注射針による穴)は、注射針の太さによって大きさも変わってくるが、使われる針は用途によって太さが異なる。針の太さはゲージという単位であらわされ、数字が大きくなるほど針は細くなっている。

たとえば輸血の場合、たくさんの血液を運ばなければならないので針は比較的太く18~19ゲージ(外径1.1~1.2mm、内径0.78~0.94mm)を使う。

予防接種など一般的な動脈・静脈注射、筋肉注射などは21~23ゲージ(同0.65mm~0.8mm、0.4~0.57mm)、痛みが比較的敏感に伝わる皮下注射は24~27ゲージ(同0.4~0.55mm、0.22~0.37mm)の使用が一般的である。

針は細いほど痛みは少なくなるが、注入抵抗といって、深部に届きにくくまた折れやすくもなる。手術による抜糸なら1cm程度の穴が開くが、その10分の1に過ぎない1mm弱の穴なら回復にそれほどの時間はかからないだろう。

なお、人体に傷や損傷が生じたとき、皮膚や皮下組織を再生させるために、壊死組織(細胞や組織の死んだ部分)を一度分解して新しい組織を造るような仕組みが人体にある。その際の発熱を吸収熱と呼んでいるが、これも予防接種程度ならほとんど考慮する必要はない。

したがって、「検診キット」ではさらに「考慮する必要はない」というわけだ。

健康情報・本当の話

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  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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