国債と借入金など「国の借金」が、2020年12月末時点で1212兆4680億円となり、国民1人当たりの借金は約983万円と財務省が発表。しかし、この期に及んでそれはないでしょうとさすがにネットでも反応は冷静。国民1人あたりの「資産」てちゃんと書けという声が上がっています。
あからさまなミスリード記事
財務省が10日、いわゆる「国の借金」について発表したそうです。
国の借金、1200兆円突破 1人983万円―昨年末:時事ドットコム https://t.co/7w0MatZNn4 @jijicomより
— 石川良直 (@I_yoshinao) February 10, 2021
国債と借入金、政府短期証券の残高を合計したいわゆる「国の借金」が2020年12月末時点で1212兆4680億円となり、初めて1200兆円を突破した。財務省が10日、発表した。同年8月1日時点の日本人の人口(1億2333万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約983万円に上る。(時事通信)
さすがに、「いいかげんにしろよ」の反応がネットでは多数です。
Twitterのコメントを引用します。
マッキー@インデックス&米国株投資家
@mackey_invest
あからさまなミスリード記事ですね。いい例えかわからないけど、自分の働く会社の借金を、従業員一人当たり◯◯万円です。と言われるのと同じような。主体がズレてる。流浪の素浪人
@orfevreundflash
国民一人あたり1000万円の貯蓄です。マスメディアのような社会の公器がデマを流すのはやめていただきたいです。マスメディアのせいばかりでもないですが。み四つ葉のクローバーかみ
@mi_kami_ja
池上彰が好きそうな記事だなw
実質ゼロであーる!(笑)hiro_negi
@hiro_negi
わざわざカギ括弧までつけて強調したいみたいだけど「政府の借金」が正しいはず。りんご飴赤いリンゴ
@UQ8TodrAJm6Blur
財務省さん、そろそろいい加減にしてもらえませんか?
国の借金ではなく、政府の借金。
国民には関係ないのに1人あたり等と
如何にも負担してるかのように発表は悪意を感じる。ばにら
@vanilla_tar_xvf
また一人当たりいくらって、
さも国民の借金かのようなミスリードかよ
国債は(形式上)国の負債であると同時に国民にとっては資産でもある。
形式上、と言うのは国債の発行時に負債として計上する必要があるからであって実際は借金ではないので返す必要もない国民1人あたり983万円の資産ってちゃんと書けよ。これじゃ国民が借金してるみたいやん。
あんどう裕(ひろし)衆議院議員(自民党 京都6区 )
@andouhiroshi
だから何なんだ。
『8月1日時点の日本人の人口(1億2333万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約983万円に上る。』
こんな計算になんの意味もない。
もうそろそろ、こんな報道するのはやめるべき。国債残高とは、国による通貨発行量に過ぎない。
これが、まとめ記事です。
【財務省】「国の借金」が1200兆円突破 国民1人あたり983万円 [ボラえもん★]国債残高は通貨発行量に過ぎません
https://t.co/CWq1u1v2CU pic.twitter.com/k4VptHNYCP— 石川良直 (@I_yoshinao) February 10, 2021
主なコメントを抜粋します。
2ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:00:01.73ID:4RNbzjHP0
はいはいいつものプロパガンダ4ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:00:13.12ID:2LQouDJ70
信用ありすぎて国債が売れてしょうがないのよ7ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:00:25.40ID:gIiN0sE80
政府の負債=民間の資産10ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:00:52.58ID:6mMs2e6h0
国民は債権者側なのに何で国民1人当たりを出すの?23ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:01:38.06ID:mOvnuWxY0
そもそも明確な返済期限のない借金なんてないのと同じではないか?42ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:02:42.12ID:rzLPm1aB0>>87
本当に、いつも思うけど何で国の借金を国民一人あたりに置き換えるの?
国民の借金はないよ。国民が国に貸してるの。すり替えないでね。バカにし過ぎ。49ニューノーマルの名無しさん2021/02/10(水) 20:02:54.87ID:jcc7MpQz0>>68
983万円耳を揃えて返してくれませんかね?
もう財務省は、このような詐術ニュースをリリースする意味は失われてしまったように思いますが、いかがでしょう。
「借金」があるから経済が活性化する
といっても、国民全員が上掲のようなコメントなら財務省も諦めるでしょうが、池上彰さんがテレビ番組で繰り返していることもあって、心のどこかで「借金」という言葉の響きが気になっている人もいるのではないでしょうか。
だったら、もし、その「借金」とやらを、きれいさっぱり返済したらどうなるでしょう。
上掲の安藤裕衆議院議員がツイートしているように、「国債残高とは、国による通貨発行量に過ぎない」のです。
ということは、国債残高がゼロになるということは、国民の持っている通貨を徴税でみんな吸い上げてしまうということです。
その結果どうなるか。
政府にお金が残って国民のお金がなくなります。
これでなにかいいことがありますか。
国民にお金がなければ、企業は動かず雇用も成立せず、国民も消費できない。
経済が止まってしまいます。
逆に言えば、経済を動かすために国債を発行するのです。
MMT的には、政府の財政赤字は逆に民間部門の黒字であるので、経済の活性化につながると解します。
では、国債を発行し続け、財務省が言うところの「国の借金」が増えたらどうなるのか。
国民が、財務省が言うところの983万円を返さなければならないのか。
そんなことはありません
借用証書もないものを、どうやって返すのですか。
「孫子の代」になろうが同じことです。
「コロナでカネを使いすぎて借金やばい!もう給付なんて無理!」なんて声が政治家や識者でも多数.
が、そういう人はこのグラフ事実を知らない無知蒙昧な愚者。日本以外にも英米も政府借金は年々拡大。でもヤバイことなんて何も起こってません.
つまり怖いのは借金じゃなく不況での倒産/失業なのです. pic.twitter.com/tTNe6AROVc
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) January 22, 2021
藤井聡氏のツイートです。
「日本以外にも英米も政府借金は年々拡大」していますが、どこの国の誰も、政府から「カネを返してくれ」と言われたものはいません。
借金ばかり繰り返していると円の信用を失う、という声もあります。
しかし、少子高齢化で人口が減少し続けていて、経済成長率もほとんどない我が国の「円」は、「セーフ・ヘイブン」として、一向に信用を失う気配はありません。
そもそも、「日本の国債は94パーセントが日本人に買われ、残り6パーセントも円だけで買われている」と太鼓判を押しているのは、ほかでもない、現財務大臣の麻生太郎氏です。
広島修道大学商学部のNguyen Duc Lap(グエン)教授を招いたMMTの勉強会での話が、端的でわかりやすいと思います。
「MMTは財政赤字と政府債務について今までと異なった考え方、自国通貨を発行する政府は財政的予算制約に直面することはないから、財政再建ではなく経済安定を目指すべきと提唱している。政府の累積債務にも財政赤字にも問題はなく、財政再建を行わなくとも財政破綻することない。いわゆる、政府の支出と収入(税収)は同じでないといけないということではなく、『完全雇用に寄与しているか』、『インフレを招いてはいないか』といった実際に財政がマクロ経済おける果たしている役割を行うべきである。つまり、何よりも、財政政策によって潜在成長率を高めるような『有効な支出』ができるかどうかが重要であり、政府の財政赤字は民間部門の黒字であるため、経済の活性化につながる」とMMT論者の主張を解説しました。
国の「借金」が気になる方は、これで少し発想を変えてみよう、という気になりましたか。
以上、国債と借入金など「国の借金」が、2020年12月末時点で1212兆4680億円となり、国民1人当たりの借金は約983万円と財務省が発表、でした。
コメント