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24時間テレビが叩かれている。しかし、それでも毎年行われている。批判番組から『障害者が頑張っているのを見て面白いですか?』

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24時間テレビが叩かれている。しかし、それでも毎年行われている。批判番組から『障害者が頑張っているのを見て面白いですか?』

24時間テレビが叩かれている。しかし、それでも毎年行われている。批判的な番組からは『障害者が頑張っているのを見て面白いですか?』という意見も。今回はスケプティクス(懐疑的)に、そのどちらの意見も批判的に見ていこう。

自分がマウント取りたいだけの「感動」番組

24時間テレビの批判点は枚挙に暇がない。

おおまかに、こんな批判が出ている。

  1. 障害者を見世物にしている感動ポルノだ
  2. 出演者が多額のギャラを取っている
  3. タレントのマラソンなど障がい者とは何の関係もない
  4. がん、家庭内の話など、障がい者以外でも見境なく話題にして強引に視聴者に涙を流させようとする

それらの批判は、いずれももっともである。

要するに、24時間テレビというのは、障害者をダシにしたバラエティ番組である。

しかし、テレビコンテンツは、良心的か、良識があるか、といった「質」はどうでもいい。

要するに、数字が取れるかどうなのだ。

日テレは正気か? 障害者の「見世物小屋」と化した24時間テレビ : サマリーニュース
1: まとめ太郎 2017/08/28(月) 18:12:50.90 _USER9 1978年に日本テレビ開局25年記念番組として始まった「24時間テレビ」は、我が国におけるチャリティー番組の代名詞でありつつも、これまでも少なからず批判をされたり、揶揄・嫌悪の対象になってきた。 「24時間テレビ」

『日テレは正気か? 障害者の「見世物小屋」と化した24時間テレビ』というWeb掲示板スレッドに、このようなコメントが書かれているが至言である。

みんな自分より立場の弱い人間を見つけて
障害あるのに頑張ったと言いたいのさ
上から目線になりたいのだ
人間とは脆い生き物なんだよ
そうやって弱い人間見つけてこいつよりはマシと言い聞かせる
下には下がいると言い聞かせる
嫌いな自分も日頃の嫌な鬱憤も解消して明日への活力にしてしまう

そういうことなんだろうなあ。

結局大衆が悪いのだ(笑)

そんな障害者見世物番組の24時間テレビに挑発的な『バリバラ』(NHK Eテレ)では、こんなコメントが注目された。

「障害者ががんばっているのを見て面白いですか?」

24時間テレビに切り込む懐疑的精神は、大いに敬意を評したい。

しかし、当該コメントは、「がんばっている」「面白い」の内容にもよるが、これも、24時間テレビとは別な意味で「わかっちゃいない」暴論である。

いくら24時間テレビの了見が気に食わないからと言って、「障害者ががんばっている」ことを紹介すること自体を全否定する必要はないし、それは障がい者のことを何もわかっちゃいない苦労知らずのそしりを免れない。

『バリバラ』も何もわかっちゃいないね

たとえば、8月22日に『クローズアップ現代+』(NHK)で放送された「次郎という仕事」のダイジェスト動画がFacebookでシェアされていた。

IQ18、語彙も10程度しかない重度知的障害(中途障害)の男性・次郎さんが、バスに乗り、買い物をして、道行く人に挨拶をして、と要するに「普通に暮らしている」動画がダイジェストで配信されている。


IQ18、語彙も10程度なら、ひとりで表に出て介助無しで暮らせるの? と思われるようなレベルである。

ところが、次郎さんは、たとえば小銭のお釣りも理解出来、店員に魚をさばいてもらうのに、店員の質問に首を振ったり、魚に手刀を切って切り身にするよう依頼したりしている。

つまり、知能や言葉は足りなくても「会話」をしている。

おそらく、次郎さんの保護者は、自宅やデイサービスに閉じ込めずに次郎さんを表に出し、買い物などの「数稽古」を何度も経験させて、その能力を身につけさせたのではないだろうか。

それによって、文法や個々の単語では理解できなくても、全体から感覚として「会話」を成立できるようになったのではないかと思われる。

もちろん、そこには、店員との信頼関係(理解と支援)が必要である。

店員が理解しようとしなかったり、騙そうとしたり意地悪をしたりという魂胆があったら、「会話」は成り立たないだろう。

この番組が求めているのは、決して「感動」ではない(感動するのは自由だけど)。

「次郎さん」が成立するための認識として、

  1. IQと生活自立能力は必ずしもリンクしない(IQが低くても絶望する必要はない)
  2. 知的障害だからと諦めずに社会経験の「数稽古」を積み重ねることで可能性が広がる
  3. 周囲の人との信頼関係が大切

という、きわめて現実的で合理的なことを述べている。

ブルゾンなにがしがマラソンなどしても、感動コ×キの一部視聴者は感動するかもしれないが、障害者には何のメリットもない。

が、次郎さんの生活は、健常者への理解と支援を求めるために公益性ある情報である。

『バリバラ』の当該コメントは、そこを理解せず、十把一からげに、障がい者の話は「感動ポルノ」というレッテルを貼っているのではないか、という疑いを抱かせる。

障害者の情報は、いかなる価値や目的で発信されているのか。

そこをきちんと見極める必要があるのではないだろうか。

以上、『24時間テレビ』と『次郎さん』を観て感じたのは感動ポルノも障害者出演全否定も間違っているのではないかということ、はここまで。

私たちのこと、もっと知ってほしいな (障がい者の仕事場を見に行く) -
私たちのこと、もっと知ってほしいな (障がい者の仕事場を見に行く) –

この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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