真理明美さんの祥月命日(8月8日)です。デビュー作は『モンローのような女』ですが、テレビの代表作はやはり『プレイガール』でしょう。生命保険会社が、保険金詐欺の疑いのある事件を極秘に調査依頼する保険調査員役で活躍しました。
真理明美さんの祥月命日(8月8日)です。肝細胞がんで亡くなり享年76歳。
葬儀・告別式は近親者で行ったといいます。
最近は、著名人でも派手な葬儀は行わないことが多いですね。
ところで、その翌日の8月9日は、沢たまきさんの命日です。
さすれば、話題にしたくなるのはやはり『プレイガール』でしょう。
『モンローのような女』は夫と添い遂げた
女優の真理明美さん死去 76歳 ドラマ「プレイガール」などに出演 https://t.co/zfI0lkMibz pic.twitter.com/ywL1YjeVpJ
— 産経ニュース (@Sankei_news) August 16, 2017
追悼 山本圭さん
『モンローのような女』
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真理明美さんと言えば、キャラクターは、まさにデビュー作の『モンローのような女』(1964年、松竹)。
原作は、舟橋聖一さんの『モンローのような女』(文藝春秋新社)1964年
モンローというのは、いうまでもなくマリリン・モンローです。
少女いち子(真理明美)が、モデルになるまでの波乱万丈を描いた映画です。
マリリン・モンローの自伝の翻案である『砂糖菓子が壊れるとき』(1967年ね大映)では、志村喬さんが、主人公の千坂京子(若尾文子)に溺れる老人役を演じていましたが、『モンローのような女』では、あの御前様を演じた笠智衆さんが、飲んだくれで暴力を振るうどうしようもない男を演じています。
また、山本圭さんが、いち子にいちいちやきもちを焼く切ない男を演じています。
男というのは、素敵な女の前ではこれほどくずれてしまうものなのか、という世界を見せてくれる秀作です。
マリリン・モンローには、いろいろな男が通り過ぎ、出会っては別れを繰り返したようですが、真理明美さんの実生活は、映画監督の須川栄三さんと添い遂げました。
『プレイガール』は、内臓疾患から2クールで降板していますが、初期の『プレイガール』は、戸川昌子や丸山(美輪)明宏、緑魔子、應蘭芳など、後半のお色気を強調した陣容とは若干異なる大人のアクションドラマでした。
『プレイガール』初期の番組人気定着に貢献
『プレイガール Premium Collection』というDVDを鑑賞しました。
かつて月曜午後9時から放送されていた、テレビ映画の『プレイガール』(1969年4月7日~1976年3月29日、東映/東京12チャンネル・現テレビ東京、全287話)を収録したものです。
総勢22名のプレイガールたちの、初登場回と最終回を抜き出した全16話が収録されています。
昭和の古き良き時代を思い出させるドラマの一つです。
今は“月9”といえば、フジテレビ月曜21時に放送される連続ドラマ枠のこと。
でも私の子供の頃の“月9”といえば、東京12チャンネルの『プレイガール』でした。
映画会社の製作で、大物映画俳優がゲスト出演。地方ロケも多い。
しかし、肝心のストーリーは何かよくわからず、アクションもしょぼくて、小学生が観るかもしれない時間帯なのにお色気シーンもあり。たぶん16ミリで撮影しているのだと思いますが、フイルム映像も東宝映画からみたら勝負にならない粗さ。
三等上映館で流れているような、ピンク映画の如きマイナー感がありました。
その第1回からレギュラー出演していたのが真理明美さんです。
その後、レギュラーの入れ替えがあり、最後までは出演しませんでしたが、初期の番組人気定着に貢献したといえるでしょう。
保険調査員のぬるいお色気アクションが人気だった
ところで、プレイガールとはどんな人物なのでしょう。
遊んでいる女?
いえいえ、そうではありません。
プレイガールとは、女性の国際秘密保険調査員という設定です。
重箱の隅をほじくれば、調査員は複数いるので、正確にはガールズです。
それしともかくとして、プレイガールはどんな仕事なのか。
生命保険会社が、保険金詐欺の疑いのある事件を極秘に調査依頼する裏社会稼業です。
したがって、「調査員」といっても、実際に存在する、火災保険や自動車保険の事故調査をするアジャスターとは全く別です。
保険金詐欺なら警察がいればいいのでは?
うーん、保険会社はそう単純なものではありません。
なぜなら、保険会社は金融機関でお金が動きます。
そして営利会社です。
お金のトラブルがあった場合、保険会社に第一義的に必要なのはとられたお金は取り戻すことで、警察に逮捕させても、それだけでは1円も戻りません。
それに、何より信用が大切な業界だけに、隠密に片付けたい事件もあります。
そこで、彼女たちのニーズがあるわけです。
報酬は保険金の1割。
用心棒と紛争解決要員として、大手広告代理店電王堂総務課に就職した特命係長、只野仁のようなものでしょうか。
一見格好いい肩書きですが、しょせん裏社会稼業なので、警察と協力して何かをするわけではありません。
保険金詐欺の高飛びや、事件の真相解明を防ぐために、アクションシーンだけでなく拳銃をうつシーンもあります。
しかし、警察でもないのに拳銃を持っているわけだから、その時点で非合法です。
肝心のストーリーは何かよくわからず、アクションもしょぼくて、小学生が観るかもしれない時間帯なのにお色気シーンもあり。たぶん16ミリで撮影しているのだと思いますが、フイルム映像も東宝映画からみたら勝負にならない粗さ。
三等上映館で流れているような、ピンク映画の如きマイナー感がありました。
レギュラーの女性陣は、“おねえ”こと沢たまきさんがボス格でしたが、ドラマの設定では彼女は代貸格で、貸元格は“おっかさん”こと戸川昌子さんとなっています。
もっとも、戸川昌子さんはエンドロールでは「ゲスト」として表記されているので、名前を借りたかっただけかもしれませんが、第一回では着物姿で出演しています。
ドラマ自体は、当時から見ていても、見どころはお色気シーンで、アクションシーンは何ともぬるいものでした。
もっとも、彼女たちはパンチラを見せるために、わざとゆっくり演じていたのかもしれません。
関心の在る方は、ぜひDVDをご覧いただければと思います。
以上、真理明美さんの祥月命日(8月8日)です。デビュー作は『モンローのような女』ですが、テレビの代表作はやはり『プレイガール』、でした。
プレイガール Premium Collection(1) [DVD] – 沢たまき, 應蘭芳, 緑魔子, 真理明美, 戸川昌子, 沢たまき
モンローのような女 松竹新三羽烏傑作集 SYK-142 [DVD] – 佐田啓二, 真理明美, 森光子, 笠智衆, 桂木洋子, 山本圭, 中原早苗, 川津祐介, 加藤武, 三上真一郎, 長門勇, 渋谷実
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