天ざるそばは、これから暑くなる季節にいただく機会も増えてくるでしょう。しかし、正しい食べ方が実のところわかりません。つゆにてんぷらをつけて食べていいのか、わけて食べるのか、あわせて同時に口に運ぶのか。珍しい食べ方の人もいました。
そばの合間に天ぷらを浸す
天ざる。もしくは天ざるそば。召し上がりますか?
あっさりしてのどごしの良いそばと、カラッと揚げた天ぷらの組み合わせは最高ですよね。
……が、ではそれをどう食べたらいいのか、ふと迷ってしまいませんか。
やはり常識的に考えられのは、そばの合間に天ぷらでしょうか。
そばの休憩に天ぷら、といった趣です。
もちろん、天ぷらは蕎麦をつける汁に浸します。
天ぷらを浸して、適度に油やコロモの浮いたつゆで、またそばをいただく。
これはすばらしいいただき方です。
そして、仕上げに蕎麦湯をいただいて、油を胃袋に洗い流すのです。
天ざるのあるべき天ぷらは、重曹で挙げたサクサク天ぷらです。
1度つゆに浸すだけなら、天ぷらのサクサク感は残ります。
天ざるの正しい食べ方かどうかはわかりませんが、美味しい食べ方のひとつであることは間違いないと思います。
もちろん、それ以外にも、食べて美味しいう方法なら何でもありでしょう。
「正しい」かどうかなら、マナーの問題もありますが、それもこの食べ方なら別段問題はないはずです。
まずは天ぷら、そしてそばをおいしそうに食べる
さて、先日、駅前の立ち食いそば、といっても、今どき本当の立ち食いはなく、きちんと椅子もテーブルもある普通の店です。
つまり、値段としては、いわゆる立ち食いうどん・そばクラスということです。
今は、普通のそばか、『立ち食いそば』かの線引きは、そばの割合と言われています。
普通の蕎麦屋さんは二八蕎麦といって、うどん粉とそば粉の割合を2対8でつくったそばといわれています。
しかし、いわゆる『立ち食いそば』クラスは、そばの割合がその半分の4対6ぐらいといわれています。
それはともかくとして、私はそのとき、たまたま温かいそばを注文しました。
出来上がりを待っていると、少し後に20代とおぼしき女性が入ってきました。
頼んだのが、今日のテーマとしたい「天ざる」。天ざるそばです。
そばに、つゆに、天ぷらは薄い野菜の天ぷらが3切れありました。
まずまずの感じです。
配膳されると、女性はまず、その野菜天ぷらから1枚1枚食べていきました。
天ぷらですから、コロモがオチますが、そ欠片まで箸で丁寧につまんで拾って食べていきました。
立ち食いソバ屋の、薄い野菜天ぷらを、コロモの欠片すら残さずに美味しそうに綺麗に食べる様は、こちらとしても感動と驚異の思いがこみ上げ、見ないふりをしつつ、つい見ていました。、
たぶん、食べ物は感謝の気持をもって大切に、というご家庭の教育の賜物でしょう。
女性は天ぷらを食べている間は、全くソバには手をつけませんでした。
そして、天ぷらを食べ終わってから、今度はソバを食べ始め、これまた欠片も残さず食べました。
さらに、ソバを食べ終えると、女性は付け汁をグッと全部飲み干しました。
立ち食いで、そば湯は出ません。
頼めば出るのかもしれませんが、その女性は求めませんでした。
とにかく、完食です!
なんか、あっぱれという気がしました。
三角食べと「ばっかり食べ」
これも、三角食べと対比される「ばっかり食べ」といってもいいのでしょうか。
現代っ子は、三角食べができないとよくいいます。
三角食べというのは、食べ方のマナーとして、推奨あるいは指導されてきた食べ方の一つで、ご飯やパンなどの主食、飲み物(汁物や飲料)、そしておかずと順序よく食べる方法です。
その順序の軌跡が、三角形を形作ることから三角食べといわれるわけです。
そのデンでいうと、この女性の食べ方は、そば⇒つゆ⇒天ぷら、ではなく、天ぷら(完食)⇒そば(完食)⇒つゆ(完食)ですから、三角形の軌跡とは正反対の食べ方なわけです。
ということは、「マナー違反」、いわゆる「天ざるの正しい食べ方」として推奨はできないことになります。
でも、ご本人は、ホント、美味しそうに召し上がっていたし、別に誰も迷惑もせず、見ていても全く不快感はありませんてだした。
天ざるの正しい食べ方、奥が深いものだと思いました。
以上、天ざるの正しい食べ方はそばの休憩に天ぷらを食べるのがよいという意見もあるが三角食べもおいしく完食できれるならよし、でした。
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