障害者に関係するマークや、アウェアネス・リボン運動をご存知ですか。障碍者は周囲の理解と支援を必要としますが、障碍は必ずしも第三者に理解をされるとは限りません。そこで、不自由なところを表現するマークや社会的な啓蒙活動を示すリボンがあります。
内閣府が紹介する「障害者に関係するマークの一例」
内閣府や東京都福祉局が合計11章を紹介
障碍は、可視化されにくかったり、また困ったことがあっても表現しにくかったりする場合が少なくありません。
そのときは、周囲が配慮することが求められますが、その目印としてのマークがいくつか定められています。
内閣府や東京都福祉局は公式サイトで、「障害者に関係するマークの一例」として、合計11章を紹介しています。
ほかにもいろいろあるのですが、まずはこれを覚えましょう。
障害者のための国際シンボルマーク
障害者のための国際シンボルマークです。
障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。
身体障害者標識
身体障害者標識は、肢体不自由であることを理由に、取得免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークです。
マークの表示については努力義務、つまり強制ではありません。
しかし、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられることになっています。
聴覚障害者標識
聴覚障害者標識は、聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークです。
こちらは、身体障害者標識と違い、表示することが義務です。
そしてこちらも身体障害者標識同様に、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられることになっています。
盲人のための国際シンボルマーク
盲人のための国際シンボルマークは、世界盲人会連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマークです。
デザインから見て、視覚障害者のためのマークであることはわかるが、具体的なことはあまり知られていないかもしれません。
このマークを見かけたら、視覚障害者の利用への配慮に御理解、御協力をお願いするものです
耳マーク
耳マークは、聞こえが不自由なことを表す、国内で使用されているマークです。
たしかに、よく見るとデザインが耳の形をしています。
聴覚障害は、可視化されにくい障碍の一つであるために、誤解されたり、不利益をこうむったり、社会生活上で不安が少なくないこともあわせて理解しておきたいところです。
ほじょ犬マーク
ほじょ犬マークは、身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。
身体障害者補助犬法とは、盲導犬、介助犬及び聴導犬に関する法律です。
身体障害者補助犬法によると、盲導犬、介助犬及び聴導犬は、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設において、身体障害のある人による身体障害者補助犬同伴を受け入れる義務があります。
ただし、補助犬を同伴していても使用者への援助が必要な場合はあります。
お店の入口などでこのマークを見かけたり、盲導犬、介助犬及び聴導犬を連れている方を見かけた場合は、理解と手助けできる場合は手助けが求められます。
オストメイトマーク
オストメイトマークは、オストメイト対応トイレ(人工肛門・人工膀胱造設者のためのパブリック トイレ)があることを示しています。
対応のトイレの入口・案内誘導プレートに表示されています。
ハート・プラスマーク
ハート・プラスマークは、心臓を含めた内臓や免疫機能など、身体内部に障害がある人を表しています。
可視化されにくい障碍の典型的なもののため、そのような方の存在を視覚的に示し、理解と協力を広げるために作られたマークです。
障害者雇用支援マーク
障害者雇用支援マークは、公益財団法人ソーシャルサービス協会が、障害者の在宅障害者就労支援並びに障害者就労支援を認めた企業、団体に対して付与する認証マークです。
つまり、このマークを付けている会社は、障碍者の社会参加を理念に、障害者雇用を促進している企業や障害者雇用を促進したいという意志がある企業です。
企業側と障害者の橋渡しになればとの意向から作られたものといいます。
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク
「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマークは、白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークなのです。
しかし、視覚障害者当事者の一部から、白杖を頭上50cm程度に掲げることをシグナルとすることに対する批判が上がっています。
しかし、すでにオフィシャルになっている以上、これを利用できる人はこのシグナルを示しているはずなので、社会に対する周知と理解及び支援は行うべきものです。
ヘルプカード
身体障害者以外にも、聴覚障害者、内部障害者、知的障害者、難病、妊娠初期など、外から見てわかりにくい障害の人が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです(JIS規格)。
内部障害というのは、内臓疾患や、呼吸器障害や、がんの切除手術により、人工肛門や人工膀胱をつけている人なども含まれます。
要するに、発達障害の人も中途障害の人も、すべて含まれます。
アウェアネス・リボンをご存知ですか
アウェアネス・リボンによるリボン運動と障碍者問題
アウェアネス・リボン(awareness ribbon)とは、ある社会問題への支援や賛同を示すために、輪を作ってとめた短いリボンの形と色で、その内容を表すシンボルマークです。
それらのリボンを身につけたり、ブログやSNSで発信したりすることをリボン運動と呼びます。
今回はその中から、障がい者関連のリボンについて、障碍者問題に絞ってご紹介します。
イエローリボン(障がい者の社会参加等)
イエローリボン(障がい者の社会参加等)は日本の場合、NPO日本障害者協議会が、国際連合で採択された障害者権利条約の日本国内への普及、障害のある人びとの社会参加の推進運動の、シンボルマークとして活用しています。
シルバーリボン(脳障害、精神疾患への理解促進)
シルバーリボン(脳障害、精神疾患への理解促進)は、脳障害の精神障害、および精神疾患関連のリボン運動です。
統合失調症に対する理解を求めて、手作りの銀のリボンを配ったことが始まりといわれています。
アスペルガー症候群などの発達障害、知的障害や認知症など脳の障害などの理解促進を訴える活動の1つです。
ジグソーリボン(自閉症など発達障害支援)
ジグソーリボン(自閉症など発達障害支援)は、『発達障がいのある人たちとその家族への理解と支援』で、市販されているリボンマグネットの売り上げの一部が、社団法人日本自閉症協会に寄付されるそうです。
様々な色と形で構成されたジグソーパズル型のリボンであるのは、まさに発達障害のシンボルです。
ラベンダーリボン(がん啓発、てんかん、レット症候群)
ラベンダーリボン(がん啓発、てんかん、レット症候群)は、一般的ながん啓発とともに、てんかん、レット症候群(女児神経変性疾患。難病)のシンボルです。
てんかんは、脳障がいに起こることがあり、レット症候群には自閉症的な症状があります。
チャレンジド・リボン
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji0032488/index.html より
チャレンジド・リボンは、障害や障害者に対する理解啓発活動の”シンボル”となるものです。
オレンジリボン部分は身体障害への理解を、シルバーリボン部分は知的・精神障害への理解を、パズルの模様で自閉症、ハートマークで難病への理解を表しています。
全体は歩く姿に似た形で、「理解を一歩進めたい」という思いを込めたそうです。
佐賀県と県内の障害者団体が、障害による差別のない共生の時代の扉を開けるために、障害への正しい理解を進めることとしています。
障害者に関係するマークとアウェアネス・リボンまとめ
障害者に関係するマークとアウェアネス・リボンについて、そのすべてを完璧に暗記しなければならない、とするわけではありませんが、こうしたマークが、何かを表現していることにます気づくことから始めたいものです。
マークの中には、人工肛門、人工膀胱、ペースメーカーなど中途障害も含まれています。
つまり、実は私たちは、いつ誰でも障碍者になるかもしれないということであり、障碍者問題に関心をもつことは、他者への思いやりだけでなく、実は自分自身の将来にも関連することかもしれないのです。
以上、障害者に関係するマーク11章とアウェアネス・リボンは不自由なところを表現するマークや社会的な啓蒙活動を示すリボン、でした。
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