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西川史子さん、田嶋陽子さんら、つんのめったキャラクターがテレビではもてはやされているが、その「虚」をスケプティクスに考える

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西川史子さん、田嶋陽子さんら、つんのめったキャラクターがテレビではもてはやされているが、その「虚」をスケプティクスに考える

西川史子さん、田嶋陽子さんら、つんのめったキャラクターがテレビではもてはやされているが、その「虚」をスケプティクスに考える。面白ければいいというテレビの刹那的な消費材料に、はたして彼女たちが利用されるのがいいことなのかどうか考えたい。

西川史子さんが、右脳内出血のため救急搬送されて5時間に及ぶ緊急手術を受けたが生還。

そして、大学院に進学することが話題になっている。

西川史子「春が来た!」 来春から大学院生に 自身の闘病経て決意
女医でタレント、西川史子(51)が8日、インスタグラムを更新。「春が来た! 聖マリアンナ医科大学大学院リハビリテーション科の試験に合格しました。来春から大学院生…

元気になって、自己実現されるのが何より。

とくに大学院は、いったん学業を離れてから復帰するのは大変なことなのだ。

いや、私自身がそうだから、これはよくわかる。

ただね、そのことがニュースになるということは、この方はまだメディアで仕事をするつもりなのかな、という気持ちになった。

西川史子さん、田嶋陽子さんらの「虚」というタイトルで書かせていただく。

これまでこのブログで、個人名をタイトルに掲げて真っ向斬りつけるような書き方は、筆者は意外と少ないはずだ。

が、今回の方々は、政治家やマスコミで名前を売る立場なので、きちんと名前を出して論じてもいいのではないだろうか。

という2023年現在のことを踏まえた上で、以下をお読みいただけると幸甚である。

暴言が生理的に耐えられない

女医で、タレントの西川史子さんの婚約が報じられている。

ま、人としては「お幸せに」というべきところだが、別に今回はその祝辞を書きたいわけではない。

タレントだからあえて書くが、筆者は西川史子さんが好きではない

正直言って、筆者は西川史子さんのヘビ顔から発する暴言が、生理的に耐えられなかった。

もちろん、好き嫌いを書いているのは、このブログの趣旨にそぐわないし、そもそもスケプティクスではないが、とにかく書きたくなってしまう。

たとえば、命を預かる医師を名乗る彼女が、時津風部屋の弟子殺人事件をテレビ番組で取り上げた時、こんなコメントを発している。

「格闘技だから、教育するとかって意味では、暴力(容認)ではないけど”しごき”っていうのは必要だと思うんですね」

「(”しごき”の加減は)亡くなってみないとわからないじゃないですか」

コメンテーターの全員が一律に”正しい発言”をすることに違和感がある人にとって、西川史子さんのキャラはさぞかし面白く頼もしい存在だったろう。

しかし、西川史子さんが本当に医師免許を持っているのなら、この発言はまずいのではないか。

医師の治療は、その判断次第で、結果として患者を死亡させることだってある。

にもかかわらず、「亡くなってみないとわからないじゃないですか」などと公共の電波で「医師」が暢気にコメントする光景は、「未知の治療なら人が死んでも仕方ない」といわんばかりの医療倫理観が窺え、筆者には戦慄がはしった。

彼女が、本業の医療で、それほどの緊張感ある仕事をしているかどうかは知らないが……。

医師の人命に関するコメントには「実」しかあり得ない

高須基仁さんは、姫井由美子さんという参議院議員に対し、こう苦言を呈している。

「学芸会のような虎退治劇で、自民党の片山虎之助前参院幹事長を破って当選したころまでは”姫の虎退治”はもてはやされた。ドタバタ劇の行き着く先は、姫井由美子議員の場合”半生記”の出版…。その上、私の商売の領域にまで入り込んできて、「撮り下ろし写真、収録」と表紙に書き込んだ。「ヌード写真か?」と錯覚させる”虚実ないまぜ”の出版マーケティングを展開中だ。
エンターテインメント界は、”虚”と”実”がさまざまに交じり合い、「面白い!」と世間に思わせることが真骨頂だ。しかし、政治や経済の世界では、「実・実」こそが求められる基本であって、決して「虚」とか「偽」があってはならない。とりわけ国会議員がワイドショー・バラエティー番組で大放言を繰り返す様はもうやめてほしい…、と心底思う。(『芸能通信簿』静岡新聞社)」

毛の証人の指摘は、決しておちゃらけではない。

テレビ・コメンテーターの本職はさまざまだが、政治家だけでなく、医師、弁護士なども同じことが言えると思う。

少なくとも、医師の人命に関するコメントには「実」しかあり得ないだろう。

タレント西川史子さんは、面白キャラを演じているつもりだったのかも知れないが、医師として踏み越えてはならないものを踏み越えてしまったのではないだろうか。

こんな人命軽視のヘビ顔を、ありがたがってきたテレビ局も視聴者もどうかしている。

ま、その意味ではメディアもメディアなら、大衆も大衆なんだけどね。

いずれにしても、タレントはこれを機会に寿退職してほしいものだ。

そして、もうひとつ、テレビに出ている学者をどう見るか、ということについても触れておこう。

学者は医師や弁護士など”実務家”ではなく、直接私たちの暮らしの生殺与奪の鍵を握っている訳ではない。

しかし、近代社会の文化の象徴としての矜持はあってもいいのではないか。

にもかかわらず、田嶋陽子さんは、エンターテインメントを担いできた。

そして、疑似科学批判者の大槻義彦さんは、田嶋陽子さんと対決するというポジションでテレビに出ていた。

大槻義彦さんは、「田嶋陽子なんかと一緒にするな」と怒るだろう。

が、学者として「虚」を演じたという点では同じではないだろうか。

ジャパンスケプティクスが、京都で記念講演を行ったときのことだ。

講演者は心理学者の菊池聡さん。

後に同会の役員になった。

その菊池聡さんが著書で大槻義彦さんの批判を行ったが、ジャパンスケプティクスの寿岳潤さんは、後にその講演を会の機関誌に収載するための校正のやりとりで、大槻義彦さんをこうかばっていた。

「大槻義彦さんのオカルト解明は不十分なものかも知れないが、それは物理学ではすでに解決済みのことなのだ」と。

だから、あれでいいのだと。

しかし、その擁護の仕方はおかしいのではないだろうか。

何学で解決していようが、大槻義彦さんが学者として読者・視聴者に発言した事実に対して、菊池聡さんは指摘しているのだ。

だいいち、解決しているのに、それをきちんと示せないのは、物理学の名を汚すものにもなるのではないのか。

もっとも、寿岳潤さんが大槻義彦さんを絶対化しているかというとそうではなく、大槻義彦さんのタレントとしての立場にしばしば批判的な意見も述べていた。

なんだ、だったら菊池聡さんと同じ立場ではないかと筆者は思ったが、要するに、物理学者が心理学者に科学のことでとやかく言われたくないという、物理学帝国主義がそういわせたらしい。

あ、そうそう、物理学帝国主義なんてものはない、という批判もよく来るのだが、

ジャパンスケプティクスと「物理学帝国主義」の真相
ジャパンスケプティクスの菊池聡氏から『なぜ疑似科学を信じるのか~思い込みが生み出すニセの科学』をご献本いただいたことを前回書いた。最後に「菊池聡氏絡みで、ジャパンスケプティクスと物理学帝国主義についてちょっと書いておきたいことがある」と予告した。

そもそも物理学帝国主義という言葉は、その講演で菊池総さんが使ったものであり、それに対して興奮した寿岳潤さんが質疑応答のとき、「私は物理学帝国主義者です」などと聞かれもしないのに自己紹介して開き直っていた。

そういう事実を確かめもせず、いい気になるなよな。

それはともかく、話を戻すと、いくら出演者だからといって、現役の学者が「虚」を演じるべきかどうかという点について、やはり筆者は批判的な立場をとらざるをえない。

以上、西川史子さん、田嶋陽子さんら、つんのめったキャラクターがテレビではもてはやされているが、その「虚」をスケプティクスに考える、でした。

悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿 (ディスカヴァー携書)
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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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