大槻義彦氏の言動をこのブログではしばしば批判しているが、天羽優子さんから感情的だとするご意見があるようなので、それに対してお答えしておきたい。失礼ながら社会から切れた所で仕事をしている人はタレント物理学者の失言にも鈍感になのだろうと思った。
ジャパンスケプティクスの方々が揃って筆者を黙殺
ジャパンスケプティクスの方々が揃って筆者を黙殺する中で、何にせよ筆者について語ってくれることは、それだけで大変ありがたいことだということはもちんよくわかっている。
ジャパンスケプティクスの方々は、同じ土俵にたつこと自体を嫌っているから黙殺しているのだから。
ただ、まあ天羽優子さんもそれなりの打算で発言しているとは思っているけどね。
それはともかくとして、やはり得心できない点については書かせていただきたい。
これまで大槻義彦氏について筆者が書いた批判は、以下の点である。
- オカルト・疑似科学の問題を「理系の問題」に矮小化していること
- 「表現の自由」というデリケートな問題に裁判云々という手法を乱暴に提案したこと
- 体罰の問題を単純にスポーツの原罪としたこと
- サプリメントを使う人を居丈高に「バカ者」と罵ったこと
などである。

⇒大槻義彦氏の「江原糾弾」果たして本気で批判しているのか?
⇒大槻義彦氏、東日本大震災コメントの問題点
いずれにも共通して言えるのは、大槻義彦氏が社会から切れた所でそれぞれの実態もきちんと調べず、「聞き書き評論」に陥っていることである。
たとえば、「葦の髄から天井を覗く物理学者」で書いたように、スポーツに携わっている者、「表現の自由」の問題でたたかっている者からすれば、とうてい容認出来ないだろう。
批判に公共性や公益性はあると思う。これは間違っているか?
なぜ、それらを批判することが「感情的」なのか、ぜひたかが筆者ごときにもわかるよう平易なご説明をいただきたい。
筆者は、大槻義彦氏とは全く接点がない。
ジャパンスケプティクスの機関誌発行の遅れについて、会員に対して事実と異なる報告をして事実上筆者を否定した松田卓也氏ならともかく、大槻義彦氏個人に対して筆者が感情的になる動機は全くない。
もし、個々の表現にそうした件が見られるなら、それは単純に筆者の文章がヘタクソだからである。
大槻義彦氏がタレント活動を続けているから批判をする
大槻義彦氏を頻繁に取り上げるのは、大槻義彦氏が学者としての活動を超え、大金を得てタレント活動を続けているからだ。
たとえば、ジャパンスケプティクスの会議における、物理学者役員の会話を批判しようと思っても、それでは世間に通りにくいから、公然としている大槻義彦氏の本やテレビの発言の類似する部分を使わせていただき批判する、ということはある。
大槻義彦氏をスケプティクス物理学者の代表、または身代わりとして叩いているわけだ。
大槻義彦氏にとってトバッチリかもしれないが、それはタレント物理学者として支払うべき有名税である。
有名税を払いたくなければ、大槻義彦氏はタレントを廃業すべきだ。広末涼子はそこを勘違いして裁判を次々起こしているが、タレントなんて叩かれてナンボだろう。
もちろん、大槻義彦氏のタレント活動そのものに批判すべき点もある。
江原啓之氏の「金儲け」を批判する大槻義彦氏だが、では自分はそうではないのだろうか。
誰がどんなビジネスをしようが「金儲け」は「金儲け」だろう。大槻義彦氏だって金儲けなのだ。
自分の仕事だけは立派だからそうではない、などというのは、大槻義彦氏の独善的な価値判断に過ぎない。
宇宙人の戸籍をもってこいという例のアレが、そんなに立派な仕事なのか? 誰だって金を得れば金儲けなのだ。
前々回ご紹介した池内了著『疑似科学入門』のレビューが「ヤフーニュース」で公開された時、次のようなコメントがついた。
「オカルトなんかを真面目に取り上げることがもうオカルト」
このての書き込みは、「2ちゃんねる」などでもよく見かける。
意図は様々あるようだが、そのひとつとして、オカルト・疑似科学は「笑ってあしらうもの」という考えを持つ人は少なくない。
不見識な発言
こういう風潮は、俗悪番組に嬉々として出演してきた大槻義彦氏にも責任の一端があると思う。
この問題を、バラエティ番組のネタに貶めてしまった責任だ。
大槻義彦氏自身、オカルトなどバカらしいから、批判はおふざけでいい、真面目にやるのはゴルフだけなどとうそぶいている。
しかし、「人が何故、オカルト・疑似科学に騙されるのか」という問題は、決して「おふざけ」で扱うようなことではない。
大槻義彦氏は、こうした不見識な発言について様々な立場からの批判に晒されなければならない。
心を痛めている人たちの悲しみを受け止めなければならない。
いずれにしても、つまらないしがらみや欲得や思いこみにとらわれて、筆者をコバカにしたり黙殺したりするのではなく、事実と道理で是々非々、正々堂々とお願いしたい。
冒頭のイメージ画像
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