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エレベーターには通常の操作盤よりやや低いところに、車椅子対応操作盤(副操作盤)があることは意外と知られていない。

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エレベーターには通常の操作盤よりやや低いところに、車椅子対応操作盤(副操作盤)があることは意外と知られていない。

エレベーターには通常の操作盤よりやや低いところに、車椅子対応操作盤(副操作盤)があることは意外と知られていない。かご内鏡、木目調丸型手すり、木目調荷すりなども含め、障碍者、高齢者、子供への「理解と支援」の第一歩はそれらを知ることである。

エレベーターの車椅子対応操作盤(副操作盤)をご存知だろうか。

エレベーターには、通常の操作盤(開閉や階数のボタン)よりやや低いところに、もうひとつ操作盤がある。

しかし、それを単なる「副」としか捉えていないと、自分がボタンを押して用を足したら、副操作盤を塞ぐように立つ者もいる。

障碍者への理解と支援は、そのような些細な事から始まっているのに…。

見逃されやすい副操作盤、さらにはかごうち鏡、木目調丸型手すり、木目調荷すりなども、この際知っておこう。

エレベーター車椅子対応操作盤(副操作盤)は、エレベーター内に設置される操作盤の一種で、車椅子やベビーカーなどの乗客が利用する際に、自分でエレベーターを操作できるようになっている。

一般的なエレベーターの操作盤は、上下のボタンが横並びになっていることが多いが、車椅子対応操作盤では、上下のボタンが縦並びになっている。

これは、車椅子の乗客が操作しやすいように設計されているのだ。

また、車椅子対応操作盤には、一般的な操作盤にはないボタンが追加されている。

たとえば、自動ドアの開閉ボタンや、緊急停止ボタンがある。

これらのボタンは、車椅子やベビーカーなどの乗客が安全にエレベーターを利用するために必要な機能だ。

さらに、エレベーター車椅子対応操作盤は、車椅子用スペースの前面にも設置されている。

これにより、車椅子の乗客は、自分の位置から操作盤を確認しながら、エレベーターを操作することができる。

最近では、タッチパネル式の車椅子対応操作盤も登場している。

これは、ボタンを押すだけでなく、画面上のアイコンをタップすることで、エレベーターを操作することができるものだ。

さらに、音声案内や点字ブロックなどのアクセシビリティ機能も備えている。

といったことを踏まえながら、以下をお読みいただけると幸甚である。

副操作盤はドアの開閉スピードが違う

エレベーターの車椅子対応操作盤(副操作盤)には、障害者のための国際シンボルマーク(つまり世界共通)がついている。

エレベーターの車椅子対応操作盤(副操作盤)

障害者のための国際シンボルマーク(つまり世界共通)については、以前ご紹介したとおりだ。

障碍者マークとは、障害者の利用する施設、建物、標識等であることを明確に表現するための世界共通のシンボルマークだ。
障碍者マークとは、障害者の利用する施設、建物、標識等であることを明確に表現するための世界共通のシンボルマークだ。今回ご紹介するのは10+1マーク。いずれも、どこかで見たことあるだろうものばかりかもしれないが、改めてご紹介しておこう

障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークである。

それがついているエレベーターの車椅子対応操作盤(副操作盤)は、本来の操作盤とは別に、それよりやや低い位置に、エレベーターのドアを入った右横についている。

やや低い位置に、エレベーターのドアを入った右横についている

もちろん、それは車椅子にのったまま使える高さということである。

車椅子にのったまま使える高さ

しかし、車椅子対応操作盤(副操作盤)の意味は、それだけではない。

通常の操作盤も、車椅子用表示のある副操作盤も同じ機能ではあるが、車椅子用を押しても、通常の操作盤は同期していない。

通常の操作盤とは、ドアの開閉スピードが違うのだ。

車椅子対応操作盤(副操作盤)のボタンを押すと、実は通常のボタンを押したときより、ゆっくり開閉するようになっている。

つまり、ひとつのエレベーターの中で、同じ機能でありながら2通りのコントロールが行われている。

もちろん、車椅子での利用に配慮しているのだ。

別の言い方をすれば、健常の利用者が使うべきではない、ということである。

ドアの開閉が遅いのだから、みんな降りてしまっても、通常よりもドアが開いている時間が長くなる。

他階で待っている人に迷惑をかけるだけだ。

車椅子対応操作盤(副操作盤)のあるエレベーターは、もうひとつ特徴がある。

それは、エレベーターの奥にミラーがあることだ。

かご内鏡、木目調丸型手すり、木目調荷すり

このミラーをかご内鏡という。

かご内鏡

このミラーを、エレベーター乗客が身だしなみを確認するものと勘違いして、ミラーの前で髪をなでつけたり自分の姿見として利用したりしている人がいる。

しかし、それは正しい使い方ではない。

車椅子や、バギー、ベビーカーの利用者が、エレベーターから降りる時に後ろ向きで出るので、背後(エレベーターの入り口側)を確認することが出来るようにするためにある。

だから、悪意がなくても、勝手に姿見に使ったり、奥だからと鏡にもたれるように立ったりされても迷惑なのだ。

鏡の前には立たない、鏡のあるエレベーターにはスペースに余裕がなくなるほど乗り込まない、と普段から心がけたい。

その他、エレベーターによっては、にぎりやすい丸形手すりや、車椅子やベビーカーなどで傷がつかないようにする木目調荷すりが設置されている場合もある。

法律化されているのに知らない人が多い

こうした設備は、建物のオーナーや管理者が、善意でなんとなくつけているわけではない。

1994年、高齢者や身障者も利用しやすい建築物に対して認定する『ハートビル法』、2000年11月に『交通バリアフリー法』などが施行された。

ハートビル法というのは、バリアフリーを促進する法律であり、正式には「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(平成6年法律第44号)という。

公共の場、たとえば病院や劇場、集会場、展示場、デパートなどの公共施設において、出入口、廊下、階段、エレベーター、トイレなど、必ず不特定多数の人が使う場について、高齢者や身体障害者が支障なく利用できるよう対策を促す取り決めである。

交通バリアフリー法は、正式名称が「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(平成12年法律第68号。2000年(平成12)5月公布、11月施行)という。

公共交通機関、たとえば電車やバス、タクシーなどの旅客施設・車両等の構造、設備を改善するための措置、一定地区における道路その他の施設の整備を推進するための措置などを講ずることで、高齢者、身体障害者等の移動の利便性、安全性の向上の促進を図ることを目的としている。

電車が入るときに、車椅子が通れるように渡しをもって待機している駅員の姿を見たことがあるだろう。

それは、この交通バリアフリー法に基づいている。

つまり、ハートビル法は建物で、交通バリアフリー法は乗り物について、高齢者や障碍者の利便性を法律で保護しているわけだ。

だから、公共の建物には、法律に基づいて福祉対応のエレベーターが設置されている。

社会の決まりごとなので、対応しなければならないのである。

しかし、その機能や狙いについて、きちんと認識している人が少ないという統計もある。

たとえば、三菱電機ビルテクノ・サービスの調査によると、健常者でありながら、車椅子対応操作盤(副操作盤)を「使用しないようにしている」と回答した人は、37.6%と半数以下だったそうである。

つまり、半分以上の人が、使ってはならないのに使っているわけだ。

障害者に対して、理解と支援はもちろん必要だが、そのためにも、障がい者に関する社会的な決まりについて、きちんと知っておきたいものである。

以上、エレベーターには通常の操作盤よりやや低いところに、車椅子対応操作盤(副操作盤)があることは意外と知られていない。でした。

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この記事を書いた者
草野直樹(かやのなおき)

自己肯定感も、自己意思決定能力も低かったのですが、昨今流行の家系図作りをしているうち、高祖叔父と“日本のケインズ”の接点を発見。仙台藩で和喜次時代のお世話役で姻戚関係も!?。もう30年早く知りたかったなあという思いはありますが、せめてこれからは一国民、一有権者の立場から、ケインズ系経済学支持者としての発言を自分の意志で行っていきます。

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