最近疲れやすくありませんか。『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』(梶本修身著、永岡書店)によると、披露はストレスが複合的にからみあってが引き起こされ、その要因は、精神、身体、物理、化学、生物など多岐にわたっています。
疲労は複合的ストレスに尽きるとの説
最近加齢のせいか、若いころよりも疲れやすくなった自覚があります。
その疲れも、一晩寝たぐらいではなかなかとれないのです。
なんとかならないものかと思っていたところ、『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』(梶本修身著、永岡書店)という書籍を知りました。
タイトルを見て、疲れにくく、疲れてもなるべく早く回復できる身体づくりのヒントがあればと思い、手にとったわけです。
『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』は、巷間にある疲労回復ものを否定しています。
ちまたにあふれる「これで疲れがとれる!」とやっていたこと、食べていたもの……過労死とは穏やかではありませんね。
じつはその方法では「疲労感」はとれても、「疲労」はとれていないかも!
疲れがとれた感じでも、実際の疲れがとれていなければ、疲労は蓄積するばかりです。
また「疲労感」を感じない疲労がたまると、その先には過労死してしまうということが!
では、本書『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』のいう「疲労」とは何か。
とにかく疲れは生活環境のストレスによって引き起こされるというのが結論です。
具体的に『ストレス』の中味は、『精神的なストレス』『身体的なストレス』、そして紫外線や騒音などの『物理的ストレス』、さらにホルムアルデヒドなどによる『科学的なストレス』、加えてウイルスや細菌などによる『生物的ストレス』など。
それらのストレスが複合的にからみあい、疲労が引き起こされるとしています。。
疲労には生理的と病的の2種類
乳酸が疲労の犯人ではなかった
梶本修身氏によると、『疲労』には生理的な疲労と、病的な疲労の2種類があるといいます。
どちらがやっかいかというと、もちろん病的な疲労です。
生理的な疲労は、一晩ゆっくり寝たり、2~3日休養をとれば回復できる疲れです。
しかし、病的な疲労は病気が原因であり、もしくは疲労そのものが病気と診断される慢性疲労症候群や突発性慢性疲労です。
つまり、医療行為が解決の道です。
ですから、病的な疲労は医師の診察を受け、適切な治療を受けるべきであり、本書『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』が問題にしているのは前者の生理的な疲れについてです。
これまでは、肉体的疲労の原因は乳酸説が有力でした。
運動後の筋肉には乳酸がたまっていることから、乳酸=疲労物質という理屈だったわけです。
しかし、現在乳酸は、疲労を引き起こす物質ではなく結果としてたまるもので、むしろ真逆で疲労を軽減させる物質であることが明らかになっています。
では真犯人は?
疲れを引き起こす真犯人としてクローズアップされているのは活性酸素です。
活性酸素の老廃物が疲労を作る
大気中には、約20%の酸素が含まれていますが、酸素は生物の生命的活動に不可欠な役割を持つ一方で、取り込んだ酸素の一部は外部からの様々な刺激を受け反応性の高い活性酸素になります。
活性酸素は、体内の代謝過程において様々な成分と反応し、体内の免疫機能や感染防御に貢献しますが、過剰になると逆に私たちの身体を酸化させて細胞傷害をもたらします。
徹夜をしたり、激しい運動をしたりして活性酸素が発生すると、細胞が傷つけられ老廃物が出ます。
この老廃物が疲労因子『FF(Fatigue Factor)』の発生を促します。
発生した『FF』が脳に疲労シグナルを送ることで、私たちは疲れを感じると考えられているのです。
ただし、疲労因子FFが増えれば疲れっぱなしかというともちろんそうではありません。
一方で、『FR(Fatigue Recovery Factor)』というたんぱく質が同時に、疲労で傷ついた細胞の修復し、疲労因子FFの働きを抑制します。
疲労回復因子ということです。
ただ、そのメカニズムには個人差があるので、同じように疲れていても、翌日まで疲れが残る人もいれば、そうでない人もいます、
それは疲労回復物質FRのはたらきの違いということです。
たとえば、加齢、体力などはあるでしょうね。
いずれにしても、生理的疲労の回復には、疲労因子FFを減らして、疲労回復物質FRの反応性を高めることです。
疲労回復・緩和法には6つの方法
ということで、ではどうすれば、疲労因子FFを減らして、疲労回復物質FRの反応性を高めることができるでしょうか。
『間違いだらけの疲労の常識 だからあなたは疲れている』によると、科学的に検証されつつある疲労回復・緩和法は次の6つです。
睡眠
睡眠不足は、高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病の原因になるといわれています。
その一方で、よく寝たあとは疲れがとれている、あるいは軽減されているという爽快な経験は誰もがあるとおもいます。
睡眠中は活性酸素の発生も抑えられ、疲労因子FFの量が減るからです。
その間、疲労回復物質FRはより多くの傷ついた細胞を修復するができるので、疲労が解消されます。
もちろん、副交感神経が優位になって体内の免疫が働きやすいということもありますが。
この場合、夜の一定時間の睡眠が大切なことはもちろんですが、睡眠時間が多ければいいというものではない、という報告があります。
一方で、うたた寝や昼寝でも疲労回復に効果があります。
要するに、睡眠を求めるときに応じるのが疲労回復には理想ということかもしれません。
疲労因子FFは、ただ立っているだけでも増加する反面、横になって目をつぶるだけでも減る性質があるのです。
疲労因子FFと疲労回復物質FRは、トレードオフの関係にあります。
疲労因子FFが減ると、その一方で疲労回復物質FRが活躍しやすくなります。
食事
食事で疲労回復がはかれます。
ポイントは、抗疲労効果のある成分を摂取することです。
『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』によると、イミダペプチドは疲労因子FFを減らし、高い抗疲労効果があるとして注目されているそうです。
鶏の胸肉
そして、疲労回復物質FRの反応性を高める働きがあることがわかっているといいます。
イミダペプチドの含まれる食品として、本書『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』では鶏の胸肉が勧められています。
ただ、レビューなどでは、鶏の胸肉よりもマグロやかじきマグロの方がイミダペプチドを沢山含んでいるという指摘もあります。
まあ、各自の嗜好を尊重しながらも、バランスよく摂取すればいいのではないでしょうか。
いずれにしても、イミダペプチドの含まれる食品を意識的に摂って抗疲労効果が得ましょうという話です。
サプリメント
イミダペプチドの含まれる、疲労回復に効果があるとするサプリメントもあります。
サプリメントの選び方は、効果があるとされる量のイミダペプチドが入っていることを示すマークを見ること。
それが購入の決め手になります。
そして、『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』によれば、脳の疲れには脳のエネルギーとなる糖質と、目の疲れにはアントシアニンと組み合わせるなどして疲労を緩和させることができるといいます。
具体的なレシピも紹介されています。
軽い運動
軽い運動と健康の関係については、すでに常識となっています。
体を動かすことで、代謝機能が衰えないようにすることが大切です。
『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』では、日光(紫外線)は害であるかのような記述もありますが、日光はビタミンDを産生し、また交感神経を活発にしますから、夕方以降、暗くなってから副交感神経が活発になるメリハリのある生活に繋がります。
みどりの香り
みどりの香りには、疲労・ストレスを解消し、脳の働きを活性化させる効果があることが、京都工芸繊維大学 中島敏博博士の報告にあります。
サル、マウス、ヒトとそれぞれの実験でも、みどりの香りには作業能力の低下を抑えるはたらきがあると科学的に証明されたそうです。
体の疲れは脳が感じるといわれます。
つまり、脳の疲労回復が、身体の疲労回復につながるということです。
抗疲労効果です。
草木をちぎったり、芝を刈ったり、緑茶の缶を空けたりした時に、青葉アルコールと青葉アルデヒドという2つの成分を主成分とした、8種類の化合物による複合的香りが『みどりの香り』です。
入浴
入浴するとつかれるといいますが、それは熱い風呂にずっと使っていれば疲れます。
適度な温度の風呂にはいることで血流が良くなり、酸素や栄養分、ホルモン、免疫物質などが運ばれる一方で、疲労物質・老化物質などを活発に回収してくれます。
気分転換
ストレスだ貯まれば、その原因を離れて別の楽しいことをすることで、疲労因子FFを減らしい疲労回復物質FRをふやすわけです。
楽しいことと書きましたが、趣味のこと、みんなでおしゃべりをすることといった積極的な行為だけでなく、ひとりの時間を大切にする、部屋を暗くして過ごす、といった静的な気分転換も試みるといいかもしれません。
間違いだらけの疲労の常識 だからあなたは疲れているまとめ
『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』には、疲労は複合的ストレスに尽きると述べられています。
疲労には、生理的と病的の2種類あり、従来いわれていた乳酸が疲労の犯人ではなく、活性酸素の老廃物が疲労を作るといいます。
疲労回復・緩和法には6つの方法があり、それは睡眠、食事、軽い運動、みどりの香り、入浴、気分転換の6つです。
このほか、『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』には、コーヒーには疲労回復効果はない、タウリンには疲労回復効果は認められない、『カルシウムでイライラ改善』は考えにくい、夏疲れはうなぎでは解消できないなど、従来の迷信や疑似科学の類についても、思い込みを解く情報として盛り込まれています。
以上、『間違いだらけの疲労の常識だからあなたは疲れている』(梶本修身著、永岡書店)は人が複合的ストレスで披露するという、でした。
Photo by Ethan Johnson on Unsplash
(画像はイメージです)
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